2006 Fiscal Year Annual Research Report
SPA-1遺伝子改変動物を用いた感染防御と二次免疫応答に関する研究
Project/Area Number |
17380182
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
服部 雅一 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (40211479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義正 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90280700)
中嶋 善明 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10300724)
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Keywords | T細胞機能不全 / Rap1 / SPA-1 / PD-1 / DNAマイクロアレイ / アナジー |
Research Abstract |
低分子量G蛋白Rap1特異的GAP、SPA-1の遺伝子破壊マウスは、生後半年を過ぎた時点からT細胞機能不全に陥る。このT細胞機能不全の発症原因を明らかにするために、SPA-1遺伝子破壊マウスのT細胞の性状について解析を行ったところ、negative co-receptorの1つであるPD-1を発現したCD4T細胞(PD-1^+CD4^+T細胞)が増加しているのが明らかとなった。この分画の細胞を精製・解析したところ、抗原刺激に対し無反応(アナジー状態)であり、通常、抗原刺激により活性化されるERKが全く活性化されなかった。しかし、抗原刺激の代わりにPMAおよびイオノフォアで刺激することにより正常増殖を示したことから、PD-1^+CD4^+T細胞では増殖機構そのものに異常があるのではなく、T細胞抗原レセプター下流のERKに至る経路でシグナル阻害が起こっていることが示唆された。PD-1^+CD4^+T細胞は、正常マウスにおいても少ないながらも存在しており、やはり加齢とともに増加する傾向があった。PD-1^+CD4^+T細胞を単離し、PD-1^-CD4^+T細胞の間でDNAマイクロアレイ解析を行い、両者の間で変化している遺伝子について解析を行ったところ、後者に比べ前者では、IL-1レセプターβ鎖(CD121b)、B細胞の分化制御に関与するOcaBならびに好中球分化の制御転写因子であるC/EBPα遺伝子の発現が上昇していることが明らかとなった。これらの変化についてはリアルタイムPCR法においても確認された。現在、これらの遺伝子とT細胞アナジーの関係を明らかにするために、これらの遺伝子をマウス正常T細胞に導入し、その機能に及ぼす影響について解析を行っている。一方、本研究においてニワトリTSLPホモログの単離を計画したが、データベース解析からニワトリにおいて本遺伝子は存在していないことが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)