2005 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー治療における抗原特異的ワクチン開発の研究
Project/Area Number |
17380184
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
阪口 雅弘 独立行政法人理化学研究所, ワクチンデザイン研究チーム, チームリーダー (20170590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 健一 独立行政法人理化学研究所, ワクチンデザイン研究チーム, 研究員 (40313077)
蔵田 圭吾 独立行政法人理化学研究所, ワクチンデザイン研究チーム, 研究員 (50391941)
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
五十君 靜信 国立医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 室長 (70212743)
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Keywords | アレルギー / 乳酸菌 / スギ花粉 / アレルゲン / LLO |
Research Abstract |
犬においてアレルギー疾患が多く報告されている。その中でもスギ花粉症の犬はアレルギー全体の10%程度を占め、ダニアレルギーに次いで重要なアレルギー疾患である。アレルギー治療研究の分野において乳酸菌が注目され、乳酸菌におけるTh1誘導能およびIgE産生抑制効果が示されている。 本研究においてスギ花粉症に対する抗原特異的な免疫療法として、安価に製造可能なスギ花粉アレルゲン遺伝子組換え乳酸菌を用いたワクチンを開発することを目的としている。ベクターとして、Lactobacillus casei(ATCC393)を用いた。この株に対してCry j 1全長をコードするcDNAを組み込んだプラスミドベクターをエレクトロポレーション法で導入した。しかし、Cry j 1の発現は確認されなかったため、既にL.caseiにおける発現に成功しているLLOとの融合タンパクとして発現されるようにデザインしたプラスミドベクターを作成し、L.caseiに導入した。 すなわち、N末端から158-329番目のアミノ酸を含むCry j 1(Cry j 1_<158-329>;約20kDa)を用いた。このCry j 1はヒトおよびBALB/cマウスのCD4+T細胞が認識するペプチド断片(T細胞エピトープ)を含んでいる。LLOは、Listeria monocytonegesの菌体由来タンパクであり、LLO自体にマウスの脾臓細胞からIFN-gamma, IL-12,およびIL-18などのTh1サイトカインを誘導することが明らかとなっている。LLOは溶血毒性を有するため、本研究では、溶血毒性をもたらすドメインを欠損させた変異LLOを用いた。コントロールとして、LLOのみ導入した株と空のベクターを導入した株も作成した。今後、これらの株に関して、スギ花粉アレルゲンであるCry j 1の発現を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)