2007 Fiscal Year Annual Research Report
マングローブ実生胚軸のガス交換機能から見た耐塩性機構の解明および植林技術への展開
Project/Area Number |
17380193
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北宅 善昭 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (60169886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 俊夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (50316014)
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Keywords | マングローブ / O_2濃度 / 胚軸 / 根 / 葉面コンダクタンス / 植林 |
Research Abstract |
マングローブ植林技術開発のための基礎的知見を得ることを目的として、ヒルギ科マングローブ幼植物の根への02供給が成長に及ぼす影響について調査した結果、以下の知見を得た。 1.生育現地での調査により、潮位上昇に伴う胚軸の水没によって、幼植物胚軸内02濃度が低下したことから、大気から胚軸内へ02が拡散することが確認できた。また、胚軸での光合成反応によって02が生成されることを解明した。根内02濃度は胚軸内よりも低かったことから、02が胚軸から根へ拡散することを解明した。胚軸の遮光および水没は胚軸内および根内02濃度を低下させ、葉のガス交換を抑制した。 2.温室での実験により、幼植物胚軸の水没によって胚軸から根への02拡散速度および葉のガス交換速度が低下した。メヒルギ幼植物では、胚軸の遮光によって胚軸から根への02拡散速度および葉のガス交換速度が低下した。胚軸の遮光および水没が同時に起こるとき、オオバヒルギ、フタバナヒルギ、メヒルギ、コヒルギ、オヒルギおよびヤエヤマヒルギ幼植物の胚軸から根への02拡散速度および葉のガス交換速度が低下した。 3.胚軸での光合成反応および大気から胚軸内への02拡散抑制の継続によって、マングローブ幼植物が枯死することが明らかとなった。またヤエヤマヒルギはオヒルギに比べて、幼植物の胚軸表面での通気が抑制されたときの生存率が高くなり、胚軸の02拡散機能が樹種により異なることを確認した。 4.胚軸表面積の1/3程度が大気から胚軸内への02拡散および胚軸での光合成反応による02生成機能を維持することで、胚軸から根への02拡散速度を低下させず、幼植物の生存率を維持できることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)