2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリカル2次構造の制御とその機能化〜有機合成化学からのアプローチ
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17390007
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 正一 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00227175)
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Keywords | 環状ジ置換アミノ酸 / 2次構造 / ヘリックス / ペプチド / コンフォメーション / 不斉エポキシ化 / フォールドマー / 不斉触媒 |
Research Abstract |
有機合成化学的な手法によるヘリカル2次構造の制御と機能化に関する研究を、1.アミノ酸の設計・合成、2.合成経路の最適化、3.ペプチド合成、4.ペプチド2次構造の解析、5.ペプチドの機能化の5項目に分けて行った。特に項目1では、脱着可能なアセタール部分に不斉中心を有する環状アミノ酸の設計合成を行い、項目3,4,5は、昨年度に引き続き研究を行った。以下、項目ごとに研究実績を記載する。 1.環状α,α-ジ置換アミノ酸の設計・合成:側鎖上に不斉中心を有する新規環状アミノ酸として、脱着可能なアセタール部分に複数の不斉中心を有する環状アミノ酸の設計とその合成に成功した。アセタール部分はアミノ酸を合成してから各種のジオールに変換することが可能であった。 2.合成経路の最適化:キラルなアセタールを有する環状アミノ酸の合成経路の最適化を行いグラムスケールにてアミノ酸を合成した。 3.ペプチドの合成:キラルなアセタールを有する環状アミノ酸から、液相法によるフラグメントカップリングによるペプチドの合成をおこなった。 4.ペプチド2次構造の解析:合成したペプチドのヘリカル2次構造を溶液状態と計算化学的手法により解析した。また、トリペプチドは、X線結晶解析にも成功し側鎖アセタールとの水素結合があることが分かった。 5.ペプチドの機能化:ヘリカルペプチドによるカルコンの不斉エポキシ化反応の最適化を行い、不斉収率の向上(90-95%ee)を達成した。また、そのエナンチオ選択性と触媒のヘリカル2次構造の相関を調べた。
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