2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアル膜蛋白再構成系とケミカルジェネティクスを用いた膜内切断機構の解明
Project/Area Number |
17390015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富田 泰輔 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (30292957)
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Keywords | アルツハイマー / セクレターゼ / アミロイド / 膜内配列切断 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の発症機序に深く関与していると考えられているγセクレターゼによる膜内配列切断機構を理解するため、バキュロウイルス・Sf9細胞発現系を用いてγセクレターゼの再構成を行い、活性を保持した状態で精製を行った。その画分を用いて電子顕微鏡による観察・単粒子解析による構造解析を行った。その結果γセクレターゼはハート型の形状をしている、長径約500オングストロームの約8メガダルトンからなる構造物であることが明らかとなった。さらに同発現系を用いて基質結合能をもつリコンビナントニカストリン蛋白を単離精製した。このニカストリン蛋白と基質の結合を固相で検出できる系を確立した。さらに発芽型バキュロウイルスによる機能抗体作成を行った。その結果活性型ニカストリンに特異的に結合し、γセクレターゼ活性を中和する抗体と、未成熟型の活性をもたないニカストリンに特異的に結合する抗体を作製することに成功した。光親和性標識基をもつγセクレターゼ阻害剤を複数作製し、そのうちジペプチド型阻害剤DAPTがプレセニリン蛋白に対して直接相互作用することを見出した。また同じジペプチド型阻害剤であるCompound EおよびDBZはプレセニリン蛋白のみならず同様の膜内配列切断酵素であるシグナルペプチドペプチダーゼ(SPP)にも特異的にも結合することが明らかとなった。これらのジペプチド型阻害剤のC末端側に存在する官能基のバルキーさがその阻害特性に大きく影響していることが示唆された。またAPPに対して優位に阻害能を示すスルホンアミド型阻害剤についても同様の検討を行い、約20キロダルトンの蛋白が特異的に結合していることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)