2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNAワクチン療法の最適化を目指した核酸医薬品のデザインとデリバリー
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17390041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40273437)
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Keywords | DNAワクチン / プラスミド / 抗原提示細胞 / 細胞障害性T細胞 / MHC class I / 細胞内動態 / エレクトロポレーション |
Research Abstract |
液性免疫のみならず細胞障害性T細胞(CTL)など細胞性免疫をも誘導できるDNAワクチンのアプローチは、近年、細菌やウイルス感染症、がん、免疫疾患等さまざまな疾病に対する新たな治療法として期待されている。しかしながら十分な臨床効果が得られていないのが現状であり、ワクチン効果を改善できるDNAワクチンのデザインとデリバリーの方法論の確立が急務と考えられている。そこで本研究では、最も強力な抗原提示細胞であり、DNAワクチンの効果を大きく左右する樹状細胞を標的に選定し、DNAワクチンの効果を最大限に引き出せるプラスミドを新たに設計すると共にデリバリーシステム開発を目的に検討を行った。モデル抗原として卵白アルブミンおよびそのMHC class Iエピトープペプチド(SIINFEKL)を選択し、MHC class I分子への効率的な抗原提示を達成することのできるため抗原提示細胞内で発現させた抗原ペプチドの細胞内動態を制御できる種々のプラスミドベクターを構築した。培養樹状細胞を用いたin vitro実験において抗原提示能を評価したところ、抗原ペプチドに小胞体retention signalを融合させたベクターが最も高いclass I提示を示すことが明らかとなった。また、マウスを用いた実験を行った結果、本ベクターが優れたCTL誘導能を有することが示され、in vivoにおける有用性も明らかになった。デリバリーに関しては、投与部位の選択を含めて検討した結果、プラスミドを直接皮内に投与しエレクトロポレーションを併用する方法が最適であることが判明した。以上、DNAワクチンのデザインとデリバリーに関する有用な基礎的知見が得られた。
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Research Products
(2 results)