2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜リン脂質の動的代謝による細胞応答誘導の分子機構
Project/Area Number |
17390065
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齋藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 康仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助教授 (60263399)
上山 健彦 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (80346254)
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Keywords | プロテインキナーゼC / ライブイメージング / 脂質 / ジアシルグリセロール / 細胞周期 / 核移行 / 小脳脊髄変性症 / 凝集体形成 |
Research Abstract |
脂質代謝によって活性化されるシグナルカスケードについてライブイメージング法を用いて検討し、以下の結果を得た。 (1)ジアシルグリセロール(DG)-プロテインキナーゼC(PKC)-DGキナーゼ(DGK)について、時間的空間的に機能連関を検討した。小脳のプルキンエ細胞において共局在するDGKgammaとgammaPKCは受容体刺激に伴って共に細胞質から細胞質膜に移行し活性化されるが、1)DGKgammaがアクセサリードメイン(AD)を介してgammaPKCと直接結合し、その結合がカルシウムやDGアナログといったgammaPKCの活性化因子に依存すること、2)AD内の776番目と779番目のセリンがgammaPKCによってリン酸化され、これによりDGKgamnaの活性が亢進することを明らかにした。さらに、3)DGKgammaADを強発現させることにより、gammaPKCのリトランスロケーションが抑制されることも明らかになった。これらの事実は、機能的に連関する2つの酵素の局在及び活性が実に巧妙に調節・制御されていることを示した。 (2)DGKgammaが様々な細胞において細胞質から核内に移行すること、この核内移行にはキナーゼ活性は必要ではなく、脂質結合領域であるC1ドメインが核移行シグナルとして機能していることを明らかにした。さらに、DGKgammaの核内での機能を検討したところ、核内DGKgamma活性を阻害するとS期からM期への移行が阻害され、結果的に細胞が扁平化したことから、核内のDGKgammaは細胞周期に関与していることが明らかとなった。これらの事実は、核内でのDGやPAといった脂質代謝が細胞周期において重要であることを示唆していた。 (3)gammaPKCの変異により発症する小脳脊髄変性症(Spinocerebellar ataxia : SCA14)について、PKCの機能異常との関連について解析した。その結果、PKC変異による凝集体形成の促進が関与することが示唆された。
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Research Products
(13 results)