2006 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βファミリーシグナル系による血管内皮細胞活性化制御機構の解明
Project/Area Number |
17390073
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊東 進 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (70223154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 光保 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (20194855)
鈴木 裕之 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助手 (70375509)
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Keywords | 血管新生 / TGF-beta / Smad / E2-2 / CGI-128 / 胎生死 / Id1 / Herp2 |
Research Abstract |
血管内皮細胞の活性化は、Id1やHerp2等のhelix-loop-helix(HLH)型転写因子によって調節されていることを申請者は、明らかにしてきた。しかしながら、Id1やHerp2が他のどのような分子と相互作用して、血管内皮細胞活性化を制御しているかについては、未だ不明であった。申請者は、Id1のパートナーとして単離したE2-2が血管内皮細胞活性化作用を持つIdlと異なり血管内皮細胞の活性化を抑制していることを血管内皮細胞の増殖アッセイや管腔形成法により、認めている。このE2-2の作用機序として、血管内皮細胞活性化時に発現が上昇することの知られているVEGFRの発現を転写レベル抑制し、Idlがそれに拮抗して働いていることをルシフェラーゼレポーターを用いたアッセイにより明らかにした。 さらにHerp2と結合する因子としてyeast two hybrid法により単離した機能未知のCGI-128が、培養細胞を用いた研究により、Id1やE2-2に強く結合することを見出した。CGI-128は、Id1と同様に血管内皮細胞の活性化に関与することを管腔形成実験で明らかにしており、その作用機構として、上記に示した血管内皮細胞活性化抑制作用を持つE2-2の分解を促していることを認めている。 TGF-β I型受容体であるALK5の下流で働く細胞内シグナル伝達因子であるSmad2/Smad3を血管内皮特異的に欠損させるマウスの作製をSmad2(flox/flox)マウス、Smad3(-/-)マウス及び血管内皮に特異的に発現するTie2-Creマウスを交配することにより行った。このマウスは、ALK5ノックアウトマウスで認められた胎生10.5日における血管新生不全による胎生死を回避し、12.5日まで現在生存できることを確認している。しかしながら、出生後に上記欠損マウスは、認められないことより、胎生の後期に死んでいる可能性が示唆された。11.5及び12.5日胚を観察したところ、脳室内及び神経管内に出血が認められた。さらに血管は、野生型マウスとほぼ同様に形成されていたが、赤血球を含めた血液が卵黄嚢、心臓、さい体で認められなかった。
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Research Products
(5 results)