2005 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型増殖因子EGFファミリーのカルボキシ末端断片シグナリングの解析
Project/Area Number |
17390081
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
東山 繁樹 愛媛大学, 医学部, 教授 (60202272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜枝 美紀 愛媛大学, 医学部, 特任助手 (00380254)
難波 大輔 愛媛大学, 医学部, 特任助手 (10380255)
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Keywords | EGF-ファミリー / Shedding / HB-EGF / TGF-α / ampbiregulin / epiregulin / メタロプロテアーゼ / γ-セクレターゼ |
Research Abstract |
膜型増殖因子proHB-EGFは細胞膜表面でsheddingを受け、カルボキシ末端断片(C-terminal fragment; CTF)を産生する。HB-EGF-CTFは速やかに核に移行し転写抑制因子PLZFと結合し、これを核外にくみ出す反応を惹起することをこれまでに明らかにしてきた。proHB-EGFが含まれるEGFファミリーは13種のメンバーから構成され、全てが膜型増殖因子で、細胞膜表面でsheddingを受けCTFを産生する。本年度は、TPAでsheddingが誘導される4種のメンバーHB-EGF, TGF-α, ampbiregulin, epiregulinのCTF産生分子機構と各CTF細胞内局在について解析し以下の結果を得た。 蛍光蛋白質GFPをC-末端に融合したHB-EGF, TGF-α,ampbiregulin, epiregulinプラスミドを構築、HT1080細胞に発現し、TPA処理後のGFP局在を蛍光顕微鏡下で観察した。その結果4種ともに核膜近傍への集積を認めた。メタロプロテアーゼ阻害剤KB-R7785はこの4種の反応をともに抑制したが、γ-セクレターゼ阻害剤であるDAPTはTGF-α-CTF-GFPの局在変化を抑制し、他のものは抑制しなかった。また、ヒト胎盤由来耐熱性アルカリフォスファターゼを細胞外領域に融合したAP-HB-EGF等4種を同様に検討した結果、同等の結果を得た。以上のことから、TGF-αのsheddingはメタロプロテアーゼとγ-セクレターゼ依存的であり,他の種はγ-セクレターゼ非依存的であることが示唆された。更に、sheddingによって産生されるCTFをそれぞれの特異抗体で免疫沈降し,Western blotによって解析した結果、HB-EGF, ampbiregulin, epiregulinの各CTFは膜貫通領域を保持した大きさであることが示唆された。一方、TGF-α-CTFは数本のバンドとして検出されたことから、γ-セクレターゼによって膜貫通領域で切断を受けていることが示唆された。以上の結果から、EGFファミリーメンバーのCTF産生機構は少なくといも2種以上の分子機構が関与しているものと考えられる。各CTFの機能については現在解析を進めている。
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