2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写伸長因子Elonginの細胞運命決定における役割
Project/Area Number |
17390082
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
麻生 悌二郎 高知大学, 医学部, 教授 (20291289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
執印 太郎 高知大学, 医学部, 教授 (80179019)
北嶋 繁孝 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30186241)
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Keywords | Elongin / 転写伸長 / 細胞老化 / アポトーシス / p53 / p38 MAPK / RNA polymerase II / 低酸素誘導 |
Research Abstract |
RNAポリメラーゼIIの転写伸長因子Elongin Aの生物学的機能と意義を明らかにすべく解析を行い、以下の結果を得た。 1)Elongin A欠失マウスの表現型の解析 Elongin A^<-/->マウスで認められるアポトーシス亢進ならびに胎生致死へのp53の関与について明らかにするため、Elongin A^<-/->p53^<-/->マウスを作製したが、何れの表現型も救済されず、p53の活性化が主要な原因ではないことが明らかになった。次いで、細胞老化およびアポトーシス誘導におけるElongin Aの役割を確認するため、RNAi法によりElongin AをノックダウンしたMEFを作製した。その結果、ノックダウンMEFは早期に細胞老化に陥り、リン酸化型p38 MAPKおよび一連の細胞老化マーカーの発現増加を示した。一方、Elongin A^<-/->胎仔とは異なり、p53 Ser18のリン酸化の増加、低酸素誘導遺伝子の発現上昇、ならびにアポトーシスの充進は認められなかった。これまでの一連の解析から、細胞老化にはp53とp38 MAPKの両者が、アポトーシス誘導にはp53に加えて低酸素刺激により活性化される未知の因子が関与していることが示唆された。 2)Elongin Aのin vivo機能の解析 Elongin Aの核局在およびpol IIとの会合に必要な配列について解析した結果、各々アミノ酸413-418および590-690に相当する配列が重要であることが明らかになった。さらに、Elongin A^<-/->MEFのゲノム不安定性の原因を探るため、DNA複製フォークの進行速度を計測したところ、Elongin A^<-/->MEFでは野生型と比べて顕著な低下を認め、Elongin Aが伸長途上でのpol IIの停止頻度を減らすことでゲノム安定性の維持にも寄与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)