2008 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質神経発達におけるCajal-Retzius細胞の機能的役割の分子的基盤
Project/Area Number |
17390086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田辺 康人 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 准教授 (10311309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 富士夫 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (20089882)
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Keywords | 大脳皮質 / 皮質投射ニューロン / 神経細胞 / 細胞移動 / 分化 |
Research Abstract |
本研究課題においては、Cajal-Retzius細胞による制御を受けて脳室帯から法線方向へ細胞移動する皮質投射ニューロンに発現されている遺伝子として我々が同定した転写因子Meis2に主眼をおいて解析を進めてきた。我々の昨年度までの解析から、転写因子Meis2は皮質細胞の細胞移動だけではなく、神経前駆細胞の細胞分裂、神経細胞分化に対しても重要な役割を果たすことが明らかにされてきた。即ち、転写因子Meis2を介した転写抑制もしくは促進の二者択一の転写制御機構により、大脳皮質構築過程において細胞分裂・細胞分化ならびに細胞移動が調節されるモデルを提唱してきた(投稿準備中)。 今年度においては、この転写抑制・促進の制御機構によってどのような遺伝子が発現制御を受け、転写因子Meis2の下流において働いているのかを明らかにする目的で、DNAマイクロアレイを用いた網羅的発現遺伝子解析を行った。先ず、転写抑制型Meis2、転写促進型Meis2ならびにコントロール遺伝子をin vivo電気穿孔法を用いて大脳皮質前駆細胞に遺伝子導入した。次にFACSを用いて共発現させたEGFPの蛍光を指標にそれぞれの遺伝子を発現した娘細胞を選択的に単離した。単離した約数万個の細胞から抽出したtotal RNAからcDNAを合成しAffymetrix社のDNA解析チップを用いてそれぞれの遺伝子が発現された娘細胞の遺伝子発現プロファイルを比較検討した。その結果、GFAPをはじめとするアストロサイト関連遺伝子群、Notchシグナリングに関与する神経細胞分化関連遺伝子群、各種small GTPaseをはじめとする細胞移動関連遺伝子群などその他数多くの既知・未知の遺伝子群が転写因子Meis2の転写抑制・促進の転写制御に伴って発現調節を受けることを明らかにすることができた(投稿準備中)。
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Research Products
(1 results)