2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390091
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
村上 清史 金沢大学, 名誉教授 (90019878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善岡 克次 金沢大学, がん研究所, 教授 (60200937)
本多 政夫 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (00272980)
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Keywords | 癌 / ウイルス / 蛋白質 / シグナル伝達 / テロメラーゼ / 細胞の不死化 / 複合体 / 細胞内局在 |
Research Abstract |
テロメラーゼの発現は、ヒト初代細胞の不死化とがん化に必須であり、テロメラーゼは抗がん剤研究の有力な標的である。本年度得られた結果は、以下のように要約される。 1.ヒト培養細胞中の2種類のテロメラーゼ複合体:昆虫細胞系で発現した組み換え型テロメラーゼ複合体と近似した2種類のテロメラーゼ複合体(Complex I:約680kDaとComplex II:約400kDa)が分子篩法で分離された。前者はHsp90と会合せず、既に報告されたhTERTとhTERCのdimer複合体と推定され、後者はHsp90と会合したhTERTとhTERCの複合体と推定された。後者は、in vivo及びin vitroで不安定性を示し、プロテアソーム阻害剤の存在下で後者が安定化した結果は、プロテアソーム依存蛋白分解系が後者の制御に関与することが示唆された。2.活性化RASとHBxの共発現によるhTERT-BJ cells(線維芽細胞由来)の形質転換に要求されるHBxの領域を、HBx-cmライブラリーを用いて限定した。その結果、転写のcoactivation能に必須でない負の制御ドメインも形質転換能に寄与する結果を得た。3.hTERT発現により不死化したヒト初代肝細胞(TTNT-16 cells)では、RASとHBxの共発現による形質転換は観察されなかった。今後、HBxと他のがん関連遺伝子による形質転換を検討する。4.ヒト初代細胞の不死化と形質転換にチロシンキナーゼ型受容体(RTK)が関与する可能性を昨年検討したが、微弱発現活性化型RTK BJ株が選択的に単離された。本年度、ウイルスベクター系の改良を進め、CMVプロモーターによる高発現系の作成とCre-loxP系を用いたコンディショナル発現系の構築を行った。これらの系を導入したBJ細胞の樹立を試みている。
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