2006 Fiscal Year Annual Research Report
HLHタンパク質Id2を介した生体制御システムの分子基盤
Project/Area Number |
17390092
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
横田 義史 福井大学, 医学部, 教授 (50222386)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岡 尚徳 福井大学, 医学部, 助教授 (00293879)
柄谷 和宏 福井大学, 医学部, 助手 (70233997)
森 健太郎 福井大学, 医学部, COE研究員 (50397296)
|
Keywords | Id2 / 参謀分化 / 増殖制御 / 早期応答遺伝子 / 発生・分化 |
Research Abstract |
helix-loop-helix (HLH)モチーフを持つId2は、basic helix-loop-helix (bHLH)型転写因子の機能抑制因子の1つであり、これらの因子との2量体形成によるタンパク質レベルでの機能調節を介して、細胞分化の抑制と増殖促進作用を発揮すると考えられている。本研究の目的は、Id2欠損マウスを用いたin vivoでの機能解析とin vitroにおける分子機能解析を組み合わせることで、Id2を介した生体応答ネットワークの全体像を理解し、細胞の分化や機能調節に関わる生体制御システムを分子レベルで明らかにすることにある。本年度の成果は以下の通りである。 (1)血清などの増殖刺激によって発現が誘導されるId2は早期応答遺伝子の1つであり、この発現はId2遺伝子の上流3kbに存在する応答配列を介して転写因子RFX1依存的に誘導されること、さらにRFX1は増殖停止細胞におけるId2遺伝子の発現抑制にも深く関わっていることを明らかにした(Wang et al.,投稿準備中)。 (2)Id2タンパク質とは異なり、Id1タンパク質の細胞内局在はHLH領域のC末端側にある核排出シグナルに依存するが、このシグナル配列のうち、96番目のArgが極めて重要な役割を担っていることが判明した(Kurooka et al.,投稿準備中)。 (3)Id2と結合する因子を複数同定して解析したが、Id2の機能と特異的な機能連関が示唆される因子は同定できなかった。 (4)Id2欠損マウスにみられる小腸腫瘍の解析から、Id2が胎仔小腸上皮細胞の運命決定に重要な役割を果たしていることが明らかになった(Mori et al.,解析中)。 (5)Id2が破骨細胞の機能、反応性のリンパ組織の形成などに重要な役割を果たすことが判明した。
|
Research Products
(6 results)