2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞、肝幹細胞から肝細胞、胆管上皮細胞分化制御による肝機能不全克服の試み
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17390103
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 祥剛 神戸大学, 医学部, 教授 (50189669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
具 英成 神戸大学, 医学部, 教授 (40195615)
瀬尾 靖 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90362772)
鹿股 直樹 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (60263373)
矢野 嘉彦 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60419489)
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20227408)
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Keywords | 人体病理 / 肝臓 / NASH / HBV / HCV / 遺伝子多型 / 骨髄幹細胞 / oval cell |
Research Abstract |
肝細胞の分化と脂肪化,インスリン抵抗性は、互いに密接な関係にあり、そのカスケードの交差地点に位置し、肝細胞の分化を制御している因子の1つとしてFoxo1がある。我々は、肝細胞分化に最も大切な働きをしているHNF(Hepatocyte Nuclear Factor)との関係を長年研究してきたが、新たに肝細胞の脂肪沈着と肝細胞障害は、インスリン抵抗性と肝細胞の脂肪沈着、これらと活性化酸素によるストレスと肝細胞障害の関係を解明するために研究を進めている。ヒトNASH類似の肝組織像を示すEndothelial lipaseノックアウトマウスによる、NASH発症機所の分子、遺伝子レベルの解析方法としては、Endothelial lipase(EL) knock out(K.O)マウス(n=17)、Wild type(W.T)マウス(n=19)それぞれに高脂肪食(Pagien Diet)を生後4週から9ヶ月間投与し、肝重量・耐糖能ならびに肝組織像につき検討を行った。その結果、体重はK.O群とW.T群で有意差はなかったが、肝重量はW.T群に比べK.O群で有意に増加していた。耐糖能は6ヵ月後では差はなかったが、9ヵ月後ではK.O群においてB.Gは上昇していた。HbA1cの上昇はなかった。肝組織像については、W.T群、K.O群ともに肝細胞の著明な脂肪化を認めたが、K.O群では彌慢性に肝細胞のBallooningを認めた。W.T群はそのような所見はほとんど認めなかった。EL過剰発現マウスでは野生型に比べ血清HDLが低下しており、K.Oマウスでは約1.5倍に上昇していることからELはHDLの代謝に重要な役割をしていることが明らかとなっている(J Clin Invest 2003,111:347-355)。本研究での分子、遺伝子レベルでの解析がNASH発症機序の解明につながるものと考える。
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Research Products
(6 results)