2006 Fiscal Year Annual Research Report
SAGE法で抽出した新規胃がん特異遺伝子の機能解析と診断・治療への展開
Project/Area Number |
17390104
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安井 弥 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (40191118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 宏文 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (50253068)
大上 直秀 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60346484)
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Keywords | 胃癌 / SAGEライブラリー / 治療標的 / ELISA / REGIV / CLDN-18 / SNP / 三次元カスタムアレイ |
Research Abstract |
胃癌と正常臓器のSAGEライブラリーの比較から新しい特異的発現遺伝子を抽出し、標的治療・予防を視野に入れた診断系の確立を目的として、本年度は以下のとおり研究を実施した。 (1)SAGEデータ解析による新規癌特異的遺伝子候補の抽出と機能解析:胃癌と正常臓器のSAGEライブラリーの比較と定量的RT-PCR法により抽出した新規癌特異的発現遺伝子の内、REGIVについては、5-FUによるアポトーシスの抑制には、EGFRのリン酸化、caspase-9の抑制が関与することを明らかにした。SPC18については、発現がステージ・転移と相関すること、胃癌細胞株のSPC18強制発現系において細胞浸潤を促進することを確認した。癌特異的遺伝子DKK4に関連して解析したWNT-5aについては、その発現が胃癌の悪性度・予後と相関すること、細胞浸潤を促進することを確認した。一方、新しい癌特異的発現遺伝子Xを同定し、細胞外分泌を確認し、ELISAによる血清診断系を確立した。 (2)胃癌特異的発現遺伝子のSNPの探索および分子疫学的検討:同様に、SAGEデータ解析に基づいて新しい胃癌の癌抑制遺伝子として同定したClaudin-18(CLDN-18)遺伝子において、5'UTRにG/AのSNPが存在することを新規に見い出した。そこで、胃癌症例(約150例)と健常対照症例.(約300例)についてジェノタイプ解析を行ったところ、A/GおよびG/G型が胃癌症例で有意に高頻度であり、Odds ratio (OR)は5.17(2.01-13.3)であった。 (3)胃癌診断用カスタムアレイの分子病理診断への導入:SAGEで同定した癌特異的発現遺伝子を含む207遺伝子を搭載する三次元カスタムアレイにより、約20症例の胃癌における発現と臨床病理学的事項との解析より、T/N/stageと有意に相関する23遺伝子を同定した。
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Research Products
(11 results)