2005 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化タンパク結合分子Pin1を分子プローブとした前立腺癌予後因子の網羅的探索
Project/Area Number |
17390105
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
青木 一郎 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00184028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梁 明秀 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20363814)
長嶋 洋治 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 準教授 (10217995)
佐々木 毅 横浜市立大学, 医学部附属市民総合医療センター, 助手 (30225875)
稲山 嘉明 横浜市立大学, 附属病院, 準教授 (10184730)
平野 久 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (00275075)
|
Keywords | Pin1 / リン酸化 / 前立腺癌 / プロテオミクス / 分子標的 |
Research Abstract |
ペプチジルプロリルイソメラーゼPin1が癌治療のための分子標的として機能するかどうかをさらに正確に検定するため以下のことを行った。 1 Pin1高発現性前立腺がん細胞株PC3,LNCaPにPin1に特異的なsiRNAをレトロウイルスベクターを用いて定常的に発現させることにより、Pin1発現が抑制され細胞増殖、浸潤転移能、血管形成、コロニー形成能、ヌードマウス内での腫瘍形成能すべてが抑制された。しかし、正常線維芽細胞ではPin1-siRNAによる増殖抑制は認められなかった。このことからPin1は細胞発癌だけでなく、細胞の悪性化に直接寄与し、また、癌治療におけるPin1が最適な分子標的である可能性が示された。。 2 Pin1を分子プローブとして用いたリン酸化プロテオミクス解析による癌化または悪性化に関わる責任分子の網羅的検索をを行なった。前立腺癌組織および細胞株からPin1に特異的に結合するリン酸化タンパク質をGST-pull down法にて回収し、ESI-Q-TOF-MSを用いてPin1結合タンパク質の同定をした。その結果、前立腺癌で特異的にPin1に結合するリン酸化タンパク質を数十種類同定した。その一部を下記に示す。(括弧内:Accession no.) TCP- 1 theta (P50990)、Protein transport protein Sec23A (Q15436) 78kDa glucose-regulated protein precursor (P11021)、14-3-3epsilon (P62258) Cell division cycle 2-related protein kinase7 (Q9NYV4)、Carbonyl reductase (P16152) Lysozyme C (P61626)、Non-O protein (Q15233)、Plasminogen activato inhibitor1 (Q8NC51) Complement 1 (Q07021)、RNN polymerase II (P30876)、HSP 90alpha (P07900) 現在スクリーニングの幅を広げ、ホルモン依存性や骨転移などの悪性化形質に関わる候補分子を約100種類同定する予定である。また上記のうちRNA polymerase IIはすでにPin1と結合することが知られており(Xu et al., Genes Dev.17(22):2765-76,2003)、このことは本手法および研究プロジェクトの妥当性および有効性を示唆するものである。現在これらのタンパク質の前立腺癌における発現、リン酸化、および病態との関連について、培養細胞および臨床検体を用いて検討中である。
|
Research Products
(3 results)