2005 Fiscal Year Annual Research Report
ホメオボックス転写因子CDX2及びCDX1の消化管腫瘍への関与とその分子的機序
Project/Area Number |
17390113
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 正博 京都大学, 医学研究科, 講師 (60362464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 耕史 京都大学, 医学研究科, 研究員(COE) (40402862)
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Keywords | 癌 / 転写因子 / ホメオボックス / シグナル伝達 / 消化管 / 標的遺伝子 / クロマチン免疫沈降法 / 転写調節 |
Research Abstract |
本研究計画は、消化管特異的に発現するホメオボックス転写因子CDX2及びCDX1の消化管腫瘍形成における役割を解明し、新たな治療法開発の手がかりを見つけることを目指す。 CDX2の直接の標的遺伝子を同定するため、FLAG-CDX2を安定的に発現するDLD-1大腸癌細胞株を用いて、抗FLAG抗体M2アガロースビーズによるクロマチン免疫沈降を行った。免疫沈降されたDNA断片をクローニングし、シークエンス解析により近傍の遺伝子との位置関係、CDX結合配列の有無を検討し、22個を候補遺伝子とした。次にこれらのDNA断片をルシフェラーゼレポーターベクターに挿入し、レポータージーンアッセイによりCDX2依存性のエンハンサー活性を調べた結果、6個のDNA断片が既知のCDX2標的遺伝子GKLFのエンハンサー領域と同程度以上の活性を示し、さらに7個のDNA断片が有意な活性を示した。また、FLAG-CDX1を用いて同様にクロマチン免疫沈降法によるスクリーニングを行ったところ、大腸癌の癌抑制遺伝子候補とされている遺伝子のプロモーター領域を含む断片が単離された。この遺伝子の発現は、CDX1を強制発現させた細胞で誘導されることから、CDX1の標的遺伝子である可能性が強く示唆された。今後これらの遺伝子についてさらに解析を進める。一方、Tet-offシステムによりFLAG-CDX2を誘導的に発現できる系を大腸癌細胞株で構築したところ、FLAG-CDX2が強い増殖抑制能を持つことが示された。細胞周期に与える影響など、この増殖抑制の分子的機序について解析を進めている。また、抗FLAG抗体による免疫沈降でFLAG-CDX2と共沈するタンパク質を、質量分析により複数同定した。これらのタンパク質のCDX2の機能における役割についても今後検討する。
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Research Products
(1 results)