2005 Fiscal Year Annual Research Report
高脂血症病態のマクロファージに出現する新しい小胞状オルガネラの同定とその機能解析
Project/Area Number |
17390115
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂下 直実 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (90284752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹屋 元裕 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90155052)
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Keywords | マクロファージ / コレステロール / 小胞状オルガネラ / ACAT / コレステロールエステル / トランスゴルジネットワーク / syntaxin 6 / 小胞体 |
Research Abstract |
マクロファージは様々なscavenger receptorを介して変性低比重リポ蛋白(LDL)を取り込み、小胞体においてコレステロールと遊離脂肪酸をエステル結合させてコレステロールエステルの形で細胞内に脂質を蓄積する。われわれはマクロファージの脂質蓄積機構の細胞生物学的解祈を行い、コレステロール過剰状態のヒトマクロファージでは小胞状のオルガネラが出現することを報告した(Am J Pahol,156:227-236,2000)。この小胞状オルガネラはコレステロールのエステル化を触媒するacyl coenzyme A : cholesterol acyltransferase 1(ACAT1)を含有することから、コレステロールのエステル化に関わるオルガネラと考えられる。そこでヒトマクロファージ細胞株THP1のホモジネートを用いてACAT1含有分画を精製してこの分画内の蛋白ならびに脂質を検討してみると、コレステロール過剰状態のマクロファージではACAT1含有分画はBiP、calnexinなどの小胞体マーカー蛋白に加えてコレステロール、コレステロールエステルを含有し、加えてトランスゴルジネットワーク(TGN)に,存在するt-SNARE蛋白であるsyntaxin 6も含んでいることが明らかとなった。興味深いことにこの分画には別のTGNマーカーであるTGN38は含まれておらず、われわれの発見した小胞状オルガネラはコレステロール依存性に出現し、コレステロールのエステル化を行うための特殊な小胞状オルガネラであると考えられた。共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析では通常培養環境ではACAT1とsyntaxin 6のシグナルは7%程度しか一致していなかったが、コレステロール過剰状態では約24%のシグナルが一致した。現在、この小胞状オルガネラの超微形態学的特徴を明らかにするため、凍結超薄手技を用いた電顕的二重染色を行っている。また、この小胞状オルガネラの性状をプロテオミクス解析によって調べるため、このオルガネラの精製を進めている.
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] AM-3K, an Anti-macrophage Antibody, Recognizes CD163, a Molecule Associated with an Anti-inflammatory Macrophage Phenotype.2006
Author(s)
Komohara Y, Hirahara J, Horikawa T, Kawamura K, Kiyota E, Sakashita N, Araki N, Takeya M.
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Journal Title
J Histochem Cytochem 54(3)(In press)
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