2005 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠病トリパノソーマにおけるGPIアンカー型タンパク質の生合成と機能に関する研究
Project/Area Number |
17390121
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 康裕 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助手 (70397769)
芦田 久 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (40379087)
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Keywords | GPIアンカー / 睡眠病トリパノソーマ / 脂肪酸 |
Research Abstract |
Trypanosoma bruceiの血流型とプロサイクリック型のGPIアンカーの差異に関する研究に関し以下の成果を得た。GPIアンカー生合成では、PIに順次成分が結合し、一旦糖脂質Aと呼ばれる中間体ができる。血流型では、糖脂質Aからイノシトールに結合しているパルミチン酸が除去され、その後PIの2本の脂肪酸が順にミリスチン酸に置き換えられて前駆体が完成する。一方、プロサイクリック型では、糖脂質Aのsn2位の脂肪酸が除去され、完成型の前駆体になる。これらの完成型前駆体が、GPIトランスアミダーゼによってタンパク質に付加される。2つのステージのGPIの構造の違いは、イノシトールを脱アシル化するinositol-de-acylaseが働くか否かで決定される。本研究では、T.bruceiの主たるinositol-de-acylase遺伝子を同定し、両ステージにおける働きを解明しようとした。私たちはヒトのGPI-inositol-de-acylaseであるPGAP1のT.bruceiホモログを見出し、GPIdeAc2と呼んだ。GPIdeAc2が血流型原虫の主たるinositol-de-acylaseであるかを証明するために、テトラサイクリンでON-OFFが可能なRNAiによってGPIdeAc2をノックダウンした。GPIdeAc2をノックダウンした原虫ではイノシトール脱アシル化がほとんど阻害されていたことから、GPIdeAc2が血流型原虫の主たるinositol-de-acylaseである事がわかった。RT-PCR法によって両ステージでの発現を検討したところ、イノシトール脱アシル化の有無に対応し、GPIdeAc2は血流型で発現し、プロサイクリック型ではその6分の1しか発現していなかった。
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Research Products
(2 results)