2006 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠病トリパノソーマにおけるGPIアンカー型タンパク質の生合成と機能に関する研究
Project/Area Number |
17390121
|
Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 康裕 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助手 (70397769)
芦田 久 京都大学, 大学院生命科学研究科, 助手 (40379087)
|
Keywords | GPIアンカー / 睡眠病 / トリパノソーマ / 原虫 / シアル酸 |
Research Abstract |
睡眠病トリパノソーマ(Trypanosoma brucei)は、シアル酸を合成できないが、トランスシアリダーゼを用いて宿主成分から自らのGPIアンカーの側鎖にシアル酸を付加する。トランスシアリダーゼによるシアル酸獲得の意義に関し、以下の成果を得た。T.bruceiは、トランスシアリダーゼと思われる遺伝子を少なくとも8つ持っており、このうち1つTSB38pだけがクローニングされ酵素活性が証明されていた。昨年度から、残りの遺伝子をクローニングし、それらが酵素であるかの検討をおこなった。クローニングした遺伝子のうち、TS550bとTS290bと名付けたアイソフォームには、トランスシアリダーゼ活性が認められなかった。TS270bと名付けたアイソフォームには、明らかなトランスシアリダーゼ活性が見出された。トランスシアリダーゼが全く発現されないTbGPI8ノックアウト原虫に、可溶型にした各アイソフォームを発現させ、シアル酸の付加量を測定したところ、TSB38pとTS270bを同時に発現させると、相加的に原虫表面のシアル酸量が増加した。このことは、2つの酵素が異なる特異性を持っていることを示唆しているので、さらに特異性の決定をおこなう予定である。
|
Research Products
(2 results)