2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオテロを含むボツリヌス中毒への新しい対策の確立と毒素の治療への応用
Project/Area Number |
17390127
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小熊 惠二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00002262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 憲治 岡山大学, 医学部, 助教授 (00243460)
綾田 潔 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00379835)
武士 甲一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50396339)
有満 秀幸 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (40367701)
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Keywords | 細菌 / 感染症 / 蛋白質 / 医療・福祉 / 食品 |
Research Abstract |
1.ワクチンおよび毒素検出用イムノストリップ法の開発 C型およびD型神経毒素の重鎖部分10万(Hw)や、そのC末端側およびN端側5万の部分(Hc、Hn)をリコンビナント蛋白質として作製した。これらを水酸化アルミニウムゲルと共にマウスの皮下に免役しワクチン効果を検討したところ、Hnには効果が無いが、HwとHcには類似の効果が認められた。HcはHwと異なり大量産生が可能なのでHcは家畜用ワクチンとして商品化が可能であることが判明した。現在、他の型の毒素のHcを作製している。簡便に毒素をチェックできるイムノクロマト法の開発では、B〜F型毒素に反応するモノクローナル抗体を用いた方法を試みたが、残念ながら感度、特異性は期待した程ではなかった。今後、上記の各型のHcを作製した後、これらのポリクローナル抗体を作製し検討する予定である。 2.治療用神経毒素の開発 A型およびB型progenitor toxinを形成するHAのサブコンポーネントであるHA1とHA3bにはアジュバント活性があり、自分自身の抗体ばかりでなく抗神経毒素抗体の産生を上昇させることを認めた。このこともあり、各種ディストニアの治療にはprogenitor toxinではなく、神経毒素単独を用いるべきと考え、以下のことを行った。A型およびB型毒素をラクトースゲルカラムを用いて簡単に精製する方法を開発し、かつ、B型の場合は0.05%のアルブミンを、A型の場合はこれにさらに1%のトレハロースを添加すると、-30℃での長期間の保存で毒性の低下が起こらないことを認めた。これら標品の安全性を確かめた後、本学の泌尿器科と共同で、切迫性尿失禁の患者さんに十分にインフォームドコンセントを行ったのち、膀胱壁に100〜200単位(MLD)注入した。これまで計9名の患者で試みたが、いずれも良い結果が得られている。
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Research Products
(6 results)