2005 Fiscal Year Annual Research Report
Toll-like receptorによるMAPK活性化機構と細菌感染症での役割
Project/Area Number |
17390128
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
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Keywords | MAPキナーゼ / TH1 / TH2 / JNK特異的脱リン酸化酵素 / リステリア / BCG / アレルギー / 細菌感染 / サイトカイン |
Research Abstract |
T細胞における細菌由来のリガンドを認識するToll-like receptor(TLR)およびT細胞レセプター(TCR)からのMAPキナーゼの活性経路とその制御機構を解析し、生体防御機構におけるMAPキナーゼの役割をin vivoで明らかする。本年度はJNKを特異的に脱リン酸化を抑制する脱リン酸化酵素(DUP16)を成熟T細胞にのみに発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作製してT細胞におけるJNK活性化の役割を検討した。胸腺細胞、リンパ組織(脾臓、リンパ節、パイエル板、腸管上皮間リンパ球)、非リンパ組織(肝臓、粘膜固有層)でのT細胞の分化に変化は認められなかった。TgマウスのナイーブT細胞を用いて抗CD3抗体で刺激してJNKの活性化をc-JUNのリン酸化で検討したところ、TgマウスでJNK活性の早期低下が認められた。さらにIL-4などのTh2タイプのサイトカインの産生が抑制された。このTgマウスにListeria monocytogenesおよびMycobacterium bovis(BCG)を感染させて、臓器内菌数を調べたところ、Tgマウスで菌数の低下を認めた。さらにリステリア抗原およびマイコバクテリア抗原(PPD)特異的CD4Th1細胞の産生を細胞内サイトカインによってTh1機能分化を調べたところ、TgマウスでTh1細胞応答の増加を認めた。これらの結果よりT細胞に発現されるJNK制御によってTh1細胞の産生・維持されていると考えられる。 次にこのTgマウスに卵白アルブミン(OVA)/Alumで免疫して、OVA特異的抗体産生を調べたところ、IgEの産生が低下していた。さらにOVA特異的CD4Th2細胞の産生を細胞内サイトカインによって調べたところ、TgマウスでTh2細胞応答の有意な低下を認めた。これらの結果よりT細胞に発現されるJNK制御によってTh2細胞応答が制御されていると考えられる。
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Research Products
(14 results)