2005 Fiscal Year Annual Research Report
胃腺粘液細胞型ムチンをマーカーとする臨床病理学的診断法の開発
Project/Area Number |
17390160
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
勝山 努 信州大学, 医学部, 教授 (90020809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 恵子 信州大学, 医学部, 講師 (00252099)
佐野 健司 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (50205994)
太田 浩良 信州大学, 医学部, 教授 (50273107)
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Keywords | 胃粘膜 / 胃腺粘液細胞 / ムチン / H.pylori / α4GnT / 悪性腺腫 / HIK1083 |
Research Abstract |
胃腺粘液細胞型ムチンは、両生類以上の鳥類を除く脊椎動物の胃粘膜腺粘液細胞に限定して発現するムチンで、1978年、研究代表者の勝山により始めて発見された。1996年、共同研究者である北里大学石原らのグループにより、このムチンに対するモノクローナル抗体HIK1083が開発され、特徴的な糖鎖末端構造も明らかにされた。また、信州大学グループにより、この糖鎖の合成に関わる糖転移酵素α4GnTの遺伝子も単離された。 本年度は、以下の検討を行った。 石井恵子は、子宮頚管に発生する悪性腺腫が特異的に胃腺粘液細胞型ムチンを産生する事を明らかにしたが、HIK1083を使用したラテックス凝集反応を開発した。臨床的に頚管分泌物内の腺粘液細胞型ムチンの検出を試み、極めて高い特異度、感度で、まれな疾患である悪性腺腫の確定診断に成功した。臨床応用が期待される成果である。 佐野健司はHIK1083のIgG型抗体への転換を図っているが、いまだ成功していない。腺粘液細胞の測定感度や特異性を上げるために、必要なステップであり、来年度も継続する予定である。 太田浩良は、胃腺粘液細胞型ムチンが抗H.pylori作用を発揮する事実を明らかにしてきたが、胃液中の腺粘液細胞型ムチンの測定法の開発を行った。再現性のあるEIA法が完成し、多数のヒト検体について測定中である。慢性活動性胃炎患者では、胃液中の腺粘液細胞型ムチンが増加しているというデータが得られつつある。活動性胃炎では、α4GnTは明らかに増加しているというデータが得られており、それに一致する結果といえる。 勝山は、以上の成果を生かして、臨床応用可能な測定系を完成すべく検討中である。
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Research Products
(19 results)