2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境中物質と好酸球関連蛋白遺伝子の相互作用解明によるアレルギー疾患の予防
Project/Area Number |
17390174
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 裕之 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (30231476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋丸 国広 高知大学, 医学部, 助手 (50281184)
荻野 景規 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70204104)
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Keywords | アレルギー / 遺伝子多型 / 気管支喘息症 / スギ花粉症 / IgE / アレルゲン / 相関解析 / 好酸球 |
Research Abstract |
アレルギー性疾患における環境と遺伝の相互作用の解明によってオーダーメード予防法を新たに提示するために、本年度では、気管支喘息症およびスギ花粉症における好酸球関連蛋白であるEotaxin/CCL11,Eotaxin-2/CCL24,Eotaxin-3/CCL26を、患者と対照者で比較した気管支喘息症における相関解析の結果、有意な関係が認められたのは、CCL26のT2497CとT2563Cであった。喘息難治群のT2497CのTとT2563CのCの多型頻度が、非難治群のそれに比べ、有意に高いことが認められた。これらの対立遺伝子の多型頻度は、非難治群と対照群では有意な差は認められなかった。CCR3のT51CとCCL26のT2563Cを単独で用いたときの遺伝子診断を、組み合わせて用いたときの遺伝子診断と感度、特異度について比較した。CCR3の遺伝子多型T51Cは喘息症の発症との関係が、CCL26の遺伝子多型T2563Cは喘息症の難治化との関係が示唆された。喘息の難治化の発症機序には、CCR3遺伝子とCCL26遺伝子の相互作用によって引き起こされる可能性が示唆された。また、スギ花粉症患者に関する相関解析の結果、スギ花粉症と有意な関連が認められた遺伝子座はCCL26の2497T/G,2563T/Cであった。変異型であるCCL26の2497Gアレルはスギ花粉症患者群に対して有意に多く、またCCL26の2563Cアレルは対照群に対して有意に多かった。ハプロタイプ解析の結果、スギ花粉症患者におけるハプロタイプT-Gの出現頻度は、対照群と比較して有意に高かった。CCL26の2497T/G,2563T/CのSNPsはCCL26 exon4中の3'-UTR(非翻訳領域)に存在することからEotaxin-3/CCL26の2497G変異により転写産物の安定化が引き起こされた結果、アレルギー反応が亢進したと想定された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Genotypes and Haplotypes of CCR2 and CCR3 Genes in Japanese Cedar Pollinosis2006
Author(s)
Nakamura H, Higashikawa F, Nobukuni Y, Miyagawa K, Endo T, Imai T, Hatta K, Ozasa K, Motohashi Y, Matsuzaki I, Sasahara S, Ogino K, Akimaru K, Eboshida A
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Journal Title
Int Arch Allergy Immunol 142
Pages: 329-334
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[Journal Article] Examination and speculation regarding policy and strategies for health promotion in the local community in Japan2006
Author(s)
Eboshida A, Kuno S, Kawaguchi T, Kakehashi M, Kobayashi T, Kimura T, Kroiwa S, Moriwaki M, Hayashida K, Nakamura H, Yasutake S, Araki Y, Yamaguchi N, Nobukuni Y, Sone T
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Journal Title
Int J Sport Health Sci 4
Pages: 1-8
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