2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺がんにおける喫煙と遺伝要因の交互作用に関する分子疫学的研究
Project/Area Number |
17390175
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清原 千香子 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 講師 (00169963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 洋一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20172356)
高山 浩一 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50274444)
堀内 孝彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (90219212)
三宅 吉博 福岡大学, 医学部, 准教授 (50330246)
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Keywords | 肺がん / 分子疫学 / 交互作用 / 薬物代謝 / DNA除去修復 / 遺伝子多型 / 国際共同研究 |
Research Abstract |
本研究はInternational Lung Cancer Consortium(ILCCO)国際共同研究の一環として行われるものである。網羅的な遺伝子解析は時間と費用を浪費するので、遺伝子解析の優先順位をつけるために、まず文献的な検討を行った。肺がんとDNA修復酵素の遺伝子多型、特にヌクレオチド除去修復遺伝子についてのメタ分析を行い、第一相薬物代謝に関わる遺伝子であるCYP1A1T3801C多型、第二相薬物代謝に関わる遺伝子であるGSTM1 deletion多型とDNA除去修復に関わるERCC2 Lys751Gln多型の3つを組み合わせることにより、肺がん発症高感受性者を効率よく同定できる可能性が示された。本研究においては、単独でのCYP1A1T3801C、GSTM1deletionおよびERCC2 Lys751Gln多型におけるリスクアレルを含まない遺伝子型に対するリスクアレルを含む遺伝子型(リスク遺伝子型)の性・年齢・喫煙・飲酒を調整したオッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ1.72(1.25-2.38)、1.38(1.01-1.89)および1.89(1.28-2.78)であった。次に、これらの3つの遺伝子多型を組み合わせて肺がんリスクを検討した。いずれか1つのリスクアレル遺伝子型を持つ場合のオッズ比は、単独効果とほぼ同じで1.61-2.02の範囲にあった。いずれか2つのリスクアレル遺伝子型を持つ場合のオッズ比は2.27-257の範囲にあった。3つのリスクアレル遺伝子型を持つ場合のオッズ比は5.94(2.77-12.7)であり、リスクアレルの累積により顕著な肺がんリスクの高まりが観察された。現在、免疫応答や細胞周期制御に関わる遺伝子の遺伝子多型の測定を終了し、統計学的な解析を行っている。
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Research Products
(4 results)