2006 Fiscal Year Annual Research Report
健康行動の変容能力に関連する遺伝子に基づく生活習慣病予防プログラムの構築
Project/Area Number |
17390182
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
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Keywords | 遺伝子多型 / 喫煙 / 禁煙 / セロトニントランスポーター / チトクロームp / 交互作用 |
Research Abstract |
【目的】セロトニントランスポーター遺伝子転写調節領域(5HTTLPR)とCYP2A6遺伝子多型の禁煙に関する交互作用を明らかにすることである。 【方法】対象者は山梨県内のある事業所の男性社員である。調査開始時と5年目に喫煙に関する自己記入式調査を行った。5年目の調査で禁煙者は47名、喫煙維持者は316名であった。禁煙者47人と禁煙者47人に対し喫煙本数と年齢によりマッチングした喫煙維持者47人の遺伝子型を特定した。PCR法により5HTTLPRを判定した。またPCR-RFLP法及びAS-PCR法によりCYP2A6遺伝子多型を判定した。CYP2A6遺伝子多型は先行研究を参考に酵素活性の高い群(*1*1)と低い群(*1*4,*4*4,*1*9,*4*9,*9*9)に分けた。禁煙と遺伝子多型の関連はロジスティク回帰分析により明らかにした。 【結果】5HTTLPRにおいて、S/S遺伝子型に対するL/S+L/L遺伝子型のORは2.05であった。(95%CI:0.88-4.73)。禁煙における、5HTTLPRとCYP2A6遺伝子多型の交互作用について、CYP2A6*1*1を持つ場合、S/S遺伝子型に対して、L/S+L/L遺伝子型ではORは4.62(95%CI:0.98-21.75)、CYP2A6*1*1以外を持つ場合、S/S遺伝子型に対して、L/S+L/L遺伝子型ではORは1.35(95%CI:0.48-3.82)とORに違いがあった。 【結論】CYP2A6*1*1を有しL/S+L/L遺伝子型を持つ者は、CYP2A6*1*1を有しS/S遺伝子型を持つ者より禁煙できない傾向があった。禁煙に対して5HTTLPRとCYP2A6遺伝子多型の交互作用の可能性を示唆した。
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