2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域高齢者の「虚弱(fraility)」の特徴、成因および予防法の解明
Project/Area Number |
17390194
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
新開 省二 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (60171063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 佳典 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (50332367)
吉田 裕人 東京都老人総合研究所, 研究員 (40415493)
天野 秀紀 東京都老人総合研究所, 研究助手 (90260306)
田中 千晶 桜美林大学, 健康福祉学群, 講師 (40369616)
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Keywords | 虚弱 / 老年症候群 / サルコペニア / 炎症 / 介護予防 |
Research Abstract |
1.虚弱性チェックリスト(CL)の妥当性の検証 群馬県草津町の介護予防健診(平成19年度)を受診した65歳以上高齢者612人を対象に、Friedらの基準に従って判定した虚弱の有・無に対するCL(=4点=虚弱有り、=3点=虚弱無し)の同時的妥当性を調べた。感度、特異度は70.0%、89.3%であった。70歳以上高齢者1,039人を対象に行った訪問面接調査(平成13年度、916人が応答)にてCLで虚弱と判定された212人を2年(4年)追跡した結果、うち67人(138人)が要介護認定され、2年(4年)以内の要介護認定に対するCLの予測の感度/特異度は71.6%(78.8%)/60,9%(81.8%)であった。 2.虚弱の総死亡および医療・介護費用へのインパクト 訪問面接調査(前述)に応答し以後4年間追跡できた869人(虚弱あり251人、なし618人)のうち、追跡期間中に死亡したのは137人であり、虚弱あり/なしの調整済み死亡ハザード比は2.59(95%CI:1.80-3.73)であった。追跡期間中(平成14〜17年度)の累積医療費(/人年)は虚弱群302万円、なし群166万円であり、同累積介護費用は167万円、22万円であった。 3.虚弱の予測因子 平成16年度の介護予防健診を受診し虚弱なしと判定された332人のうち平成19年度の郵送調査で追跡できたのは287人、うち虚弱あり41人(12.3%)、虚弱なし246人(85.7%)であった。3年後の虚弱の発生を予測する独立変数は、主観的健康感[4択で1つ下がる毎のオッズ比=2.73(95%CI:1.36-5.51)]と握力[1kg下がるごとのオッズ比=1.15(95%CI:1.04-1.27)]であった。 本研究事業により、虚弱の予防に向けては、加齢に伴う身体・心理・社会的機能の低下を予防・改善する「複合型プログラム」が必要であることが示された。今後、介入研究によってその効果を検証していきたい。
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Research Products
(7 results)