2005 Fiscal Year Annual Research Report
疫学調査による化学物質過敏症の有症率把握と追跡調査による発症要因の検討
Project/Area Number |
17390197
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
中島 孝江 大阪府立公衆衛生研究所, 生活環境部, 主任研究員 (70250339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 恵美子 大阪府立公衆衛生研究所, 生活環境部, 主任研究員 (60250338)
大山 正幸 大阪府立公衆衛生研究所, 生活環境部, 主任研究員 (40175253)
野上 浩志 大阪府立公衆衛生研究所, 生活環境部, 研究員 (50159084)
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Keywords | 疫学調査 / 化学物質過敏症 / 大気汚染 / アレルギー / ぜんそく / 生活環境 |
Research Abstract |
近年、化学物質過敏症が問題となってきている。しかし、化学物質過敏症は、その認定が難しく、あまり多くの患者の認定や研究報告がないので真の有症率がわかっていない。今回、一般人の何%くらいが化学物質の臭いや刺激に対して敏感だったり何らかの症状が出たりするのか、或いは、臭いや刺激で生活に重篤な影響が出ると回答する人は何%かなどを調査票調査することで化学物質過敏症の真の有症率を把握することを目的とした。また、追跡調査により化学物質過敏症の発症要因を検討することも目的とした。 今年度は、平成17年の9月時点までの化学物質過敏症関連の様々な論文の指摘を可能な限り尊重して、一般人を対象とした化学物質過敏症の調査票を作成した。また、調査票では、喘息、花粉症(アレルギー性鼻炎)、アトピー性皮膚炎の症状や既往症、及び、住宅の新築・リフォーム状況などの生活環境も質問し、相互の関連性を検討できるようにした。調査票調査は、ある市の3歳6か月児健診の受診者とその母親全員を対象に平成18年1月より実施している。1月〜2月の対象数は352人、回収数は192人で、回収率は55%だった。 調査数はまだ少ないが、1999年のBarthaらの化学物質過敏症の定義に準じた質問項目に当てはまる回答者は約6%だった。但し、「臭いや刺激により具合が悪くなる状態は生活に影響しますか?」という独自の質問項目で「非常に影響する」と回答した者は0人、「影響する」と回答した者は2名と少なかった。また、化学物質過敏症やシックハウス症候群の既往有りと回答した者も2名いた。 化学物質過敏症の調査票は主観で答える質問が多いため、その定義に該当する回答者が本当に化学物質過敏症か見極める必要はあるが、臭いや刺激で症状が起きると回答する者は比較的容易に見受けられることがわかった。但し、その症状で本当に困っている人は多くないと思われる。
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