2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しい年齢依存性発現遺伝子の分子生物学的解析と法医学的年齢推定への応用
Project/Area Number |
17390199
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯田 礼子 福井大学, 医学部, 助手 (40139788)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 孝澄 福井大学, 医学部, 教授 (10126617)
|
Keywords | 年齢推定 / 遺伝子発現 / 老化 |
Research Abstract |
1.研究経過 我々はこれまでに、マウス臓器中の年齢依存性発現遺伝子の検索を行い、生後6週以降の腎で特異的に発現する新規タンパク質Mpv17-like protein (M-LP)を同定した。また、M-LPが糸球体硬化症の発症に関連するMpv17 proteinに高い相同性を有することや抗酸化酵素の発現を誘導することを明らかにした。今回は、M-LPの年齢依存性発現調節機構を解明するため、M-LPのプロモーター領域の転写因子結合部位についての解析をレポーターアッセイやゲルシフト法を利用して行なった。 2.方法 M-LPのプロモーター領域(-1923〜+314)やその1部をルシフェラーゼ遺伝子に結合した14種類のベクターを作製し、M-LP発現細胞に導入したのち転写活性を測定した(レポーターアッセイ)。また、M-LP発現細胞より抽出した核タンパク質を、転写因子が結合すると予測されるDNA断片(DNAプローブ)と反応させたのちSDS-PAGEにより展開して膜に転写し、転写因子とDNAとの結合を調べた(ゲルシフト法)。 3.結果 レポーターアッセイの結果から、-374から-284の領域に転写を抑制する因子が、また、-284から+8までの領域の少なくとも4箇所に、転写を活性化する因子が結合することが明らかとなった。さらに、この結果は、ゲルシフト法による結果ともよく一致していた。年齢依存性発現は、これらの因子によって調節されているものと考えられた。
|