2005 Fiscal Year Annual Research Report
和漢薬をプローブとした生体内機能分子の同定と生理機能・病態変化の解析
Project/Area Number |
17390209
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
東田 道久 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助教授 (20207525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 欣三 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (10114654)
小松 かつ子 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (50225570)
後藤 博三 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助教授 (40313598)
村上 孝寿 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助手 (00377269)
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Keywords | 補中益気湯 / 釣藤散 / 遺伝子発現変化 / セロトニン / 抗うつ / ウイリアムズ症候群 / CSF / NG108-15 |
Research Abstract |
和漢薬を分画することなくそのままの形でプローブとして用い生体内を検索することにより、その和漢薬がターゲットとする機能分子を解明し、ひいては病態の新たなメカニズムの提唱・解明につなげることを目指して本研究を行っている。本年は、まず補中益気湯の遺伝子発現変化について検討した。われわれはこれまでの研究から、補中益気湯はセロトニン2C受容体と関連性があること、NG108-15細胞には同受容体が存在することを明らかにしてきたことから、補中益気湯の同細胞の形態と遺伝子発現に及ぼす効果について検討した。その結果、補中益気湯はイミプラミンやmCPPと類似の形態変化を示した。毒性のない50μg/ml(生薬換算量)で長期間処置した細胞での遺伝子発現変化をDNAアレイ法で検討し、検討した4277種のうち82種の上昇と253種の減少を見出した。増大した因子には、糖代謝やシナプス機能に関するものが多く含まれており、1)これらの発現パターンの詳細な検討、2)他の和漢薬・抗うつ薬による発現パターン変化との比較、3)いくつかの因子について生理機能の遺伝学的手法による解明、および4)補中益気湯中の有効成分のバイオアッセイ法による単離について現在研究を進めている。また以前より継続している釣藤散による遺伝子発現変化に関する研究でも、ウイリアムズ症候群に関連する遺伝子や、CSF-1関連遺伝子について、その分子生理学的機能に関し臨床的文献報告も考慮した研究を、病態モデル動物、初代培養細胞、株化細胞を用いて行っている。
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Research Products
(6 results)