2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規降圧ペプチド(salusin)の発現調節と心臓での受容体・情報伝達系の解明
Project/Area Number |
17390228
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平田 結喜緒 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50135787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七里 眞義 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教授 (10206097)
吉本 貴宣 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (80297457)
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Keywords | サルーシン / 発現調節 / 受容体 / 情報伝達 / 生理活性物質 |
Research Abstract |
今年度は当研究室で発見された新規の内因性生理活性ペプチドであるsalusin-βについて、1)心筋収縮抑制作用の機序の詳細に関する検討、2)抗体の作成とエンザイムイムノアッセイ(EIA)の確率および免疫染色による局在診断、3)ラットへのsalusin-β慢性持続投与による全身性の影響についての検討、を行った。1)に関してはラット心臓ランゲンドルフ灌流標本を用いた検討にて、salusin-βは主に副交感神経トーヌスの増強によって負の変時作用を介して降圧作用を示すが、負の変力作用は心筋への直接作用であることを明らかにした(文献5)。2)についてはまず、salusin-βのN末端15アミノ酸の合成ペプチドを抗原として家兎に免疫し得られた抗血清からポリクローナル抗体を精製した。得られたポリクローナルIgGを用い現在、EIAの確立を検討中である。また同抗体を用いnon-immuneの兎IgGを陰性対照として免疫染色を施行したところ、既報の腎尿細管の他に下垂体、副腎、気管支繊毛上皮、唾液腺などで陽性染色が認められ、その特異性につき確認中である。3)に関してはラットへ浸透圧ミニポンプを用い0.2μg/hおよび1.0μg/h持続皮下投与を行った。7日間の投与では、両群とも心拍数、血圧、体重、尿量、などへの影響は認められなかったが、0.2μg/h投与群で24h尿中カテコラミン排泄の低下が認められた。1)の結果からもsalusin-βは副交感神経トーヌスの増加を介して交感神経系を抑制している可能性が考えられ、現在詳細について検討中である。
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Research Products
(7 results)