2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390245
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 貞嘉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271613)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 建文 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助手 (40375001)
|
Keywords | 一酸化窒素 / 酸化ストレス / ペリサイト / 太いヘレンの上行脚 / 腎髄質血流 |
Research Abstract |
腎髄質血流は血圧調節に重要である。ここでは、一酸化窒素(NO)や酸化ストレス(ROS)が互いに関連しながら尿細管機能や血流の調節を行っていると考えられている。これまで、我々の研究で、髄質の太いヘンレの上行脚(mTAL)で産生されたNOやROSが直血管のペリサイトに拡散して行くことが観察されている。正常ではNOの産生量が大きく、ROSの影響は少ないことが観察されている。今回はダール食塩感受性高血圧ラットでNOとROSの不均衡があるかどうかを検討した。ダール食塩感受性ラットとその対照ラットのmTALとペリサイトの微小組織片を単離して、アンジオテンシンII(AII)を浴槽内投与した時のNOとROSの産生を蛍光顕微鏡を用いてリアルタイムで測定した。対照ラットではAIIによりmTALがNOを産生し、ペリサイトに拡散するのが認められた。ダール食塩感受性ラットではNO産生が認められなかったが、予めROS除去剤を投与した後にAIIを加えると、対照ラットと同様なNO産生が認められた。一方、ROSの産生はダール食塩感受性ラットで対照ラットよりも亢進していた。以上より、ダール食塩感受性ラットではROSの産生が後進しており、これがNOの活性を低下させていることが明らかとなった。また、ROSの産生場所はmTALであった。ダール食塩感受性では、NOとROSの不均衡が腎髄質血流の低下を来たして、高血圧の発症に関与していると考えられた。
|
Research Products
(5 results)