2006 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いた腎臓発生期遺伝子の成体腎障害時における機能解析
Project/Area Number |
17390248
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小林 千余子 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (20342785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70291309)
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Keywords | 発生・分化 / 腎臓発生 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本計画はSall1遺伝子を使って、腎臓発生に必須な遺伝子を成体で欠損するコンディショナルノックアウトマウスを作成し、その腎障害時における働きを解明しようとするものである。Sall1遺伝子は発生期腎臓から単離され、腎臓前駆細胞集団である後腎間葉に発現すること、このノックアウトマウスは腎臓を欠損し、成体腎においても間充織組織。、において発現することが知られている。そこでCreに変異型エストロゲン受容体を融合させた蛋白(CreER)をSall1の遺伝子座に導入したマウスを作成した。またマウスが予想通り作動するのを確認するために、LacZ indicatorマウス(Creの発現によりloxP部位が組みかわり、lacZが発現するマウス)と交配し、Sall1CreER/LacZ indicatorマウスを作成した。Sall1CreER/LacZ indicatorマウスに4-ハイドロキシタモキシフェンを5日間連続腹腔内投与し、腎臓を取り出してX-galを基質として発色したところ、糸球体、尿細管等で弱いながらも発色が確認された。強い発色が得られるよう、タモキシフェン投与の回数、濃度等の条件検討を行ったが、確実に強い発色が得られる条件を確立するまでには至らなかった。全身発現性のRosaCreER/LacZ indicatorマウスを作成し、タモキシフェン投与条件等検討中であるが、現在のところ確実に強い発色が得られる条件が確立されていない。一般的にCreER活性は高くないことがいわれており、コンディショナルKO作成には不向きであることが考えられる。そこでコンディショナルKOではなく、Cre特異的にSall1遺伝子が発現するマウス(Sall1Tgx)の作成を開始し、Sall1の成体腎での役割を調べることを検討中である。
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