2005 Fiscal Year Annual Research Report
多発性硬化症における視神経脊髄型の特異病態の解明と病態に基づいた治療法の開発
Project/Area Number |
17390250
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
糸山 泰人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30136428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 一男 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70280873)
中島 一郎 東北大学, 病院・助手 (50333810)
加藤 英政 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (50292123)
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Keywords | 多発性硬化症 / 脱髄疾患 / 視神経脊髄型MS / 通常型MS |
Research Abstract |
本邦の多発性硬化症(MS)の臨床病型として、病変が中枢神経内に播種する通常型MS(CMS)と視神経炎と脊髄炎のみを呈する視神経脊髄型MS(OSMS)がある。その病態を比較解析した。 1.OSMSに特異的な血清自己抗体(NMO-IgG)の標的抗原検索 LennonらによりAquaporin-4 water channel proteinがNMO-IgGの標的抗原として同定された。このタンパクの発現細胞の樹立を実施中であり、これを用いてNMO-IgG抗体検出系の確立を目指している。またSEREX法などによりNMO-IgG以外のOSMSにおける自己抗体検索を継続している。 2.Aquaporin-4の分布 脳室周囲、中心管周囲や視床下部などに発現が確認された。病態との関連について分析を行っている。 3.脳室周囲病変の成因に関する神経幹細胞を用いた解析 妊娠ラットの胎児脳よりNeurosphereの培養系を確立した。現在MS患者髄液を添加し神経細胞、アストログリア、オリゴデンドログリアへの分化への影響を解析中である。 4.プロテインチップシステムを用いた網羅的な髄液タンパクの解析 SELDI-TOF-MSを用いたこれまでのOSMS, CMS症例の解析では、両群間に有意差のあるタンパクは検出されなかった。しかしMS群と対照群間ではcystatin-Cが優位に変動し、炎症による消費が推察された。 5.NMO-IgG陽性例と陰性例の比較 NMO-IgG陽性例は3椎体以上の長い脊髄病変と失明の頻度が高かった。また長軸方向に長い大脳病変や延髄中心管周囲の病変など特異な脳病変を呈することがあきらかになった。 6.OSMSにおける治療効果 インタフェロンベーター療法治療中に大脳病変を呈する症例があった。またNMO-IgG陽性例で急性増悪期にステロイド無効な症例の半数で血漿交換が有効であること見出した。
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Research Products
(22 results)