2005 Fiscal Year Annual Research Report
先天性筋無力症候群に関与する神経筋接合部分子の分子病態研究
Project/Area Number |
17390252
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 欽司 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80397455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 徹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90402560)
増田 章男 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10343203)
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Keywords | 遺伝子 / 神経科学 / 蛋白質 / 脳・神経 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
先天性筋無力症候群に関与するCHRNE, COLQ遺伝子のexonic splicing enhancer、及び、CHRNA1遺伝子intronic splicing silencerに結合をする分子のUVクロスリンキング後のSDS PAGEによる同定と薬剤による制御を試みた。アセチルコリンレセプターαサブユニット遺伝子(CHRNA1)の75塩基からなるexon P3Aは、alternative splicingを受け、P3Aを含むP3A(+)mRNAと、P3AがスキップをしたP3A(-)mRNAは、骨格筋において1:1で生成される。P3A(-)mRNAは正常αサブユニットをコードする。一方、P3A(+)mRNAによってコードされるαサブユニットはAChRを構成できず、その存在意義は不明である。UVクロスリンキングにて、CHRNA1遺伝子intron 3にpolypyrimidine tract binding protein(PTBP1)が結合をすること、また、intron 3の一塩基置換変異(IVS3-8G>A)によりPTBP1が結合をしなくなることを証明した。PTBP1はsplicing時にexon P3Aを隠す効果があり、PTBP1の過剰発現やPTBP1のノックダウンは正常塩基配列に対してのみ予想通りのsplicing効果を示した。PTPBP1がシナプス特異的に発現をする予備データを得た。PTBP1はCHRNA1遺伝子のシナプス特異的発現をコントロールする因子である可能性の実験的検証を現在行っている。また、CHNRA1遺伝子のsplicing異常を補正する既認可薬を1種類同定し、その分子作用機序と臨床応用の可能性の検討を行っている。
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