2006 Fiscal Year Annual Research Report
先天性筋無力症候群に関与する神経筋接合部分子の分子病態研究
Project/Area Number |
17390252
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 欽司 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80397455)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 徹 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90402560)
増田 章男 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10343203)
|
Keywords | 遺伝子 / 神経科学 / 蛋白質 / 脳・神経 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
ヒト・アセチルコリンレセプターαサブユニット(CHRNA1)は、75塩基からなるエクソンP3Aを有している。Pre-mRNAスプライシングにおいてエクソンP3Aが含まれると機能を有さないタンパクが作られ、P3Aがスキップをすることにより機能を有する正常タンパクが作られる。先天性筋無力症候群において、エクソンP3Aの上流イントロンにおいてGからAへの変異を同定した(VSI3-8G>A)。この変異によりエクソンP3Aがスプライシングにおいて常に認識をされ、機能を有さないタンパクが作られる。その分子病態機構を解明する目的で人工的な遺伝子変異を導入したところ、すべてにおいてエクソンが常に認識されるようになり、患者において同定をした遺伝子変異はイントロン上のスプライシング・サイレンサーを破壊していると類推された。この変異部位に結合をするスプライシングトランス因子が、ポリピリミジン結合タンパク(polypyrimidine binding protein, PTBP1)とhnRNP HであることをUVクロスリンクSDS-PAGE、及び、免疫沈降法により証明をした。これらトランス因子の過剰発現系実験、及び、siRNAノックダウン実験にて、エクソンP3Aは予想通りのスプライシングパターンを示した。さらに、エクソンP3Aを変異を有するイントロンとともにルシフェラーゼcDNAに組み込み、960種類のFDA既認可薬10μM存在下に培養を行い、薬剤Aが有効であることを同定した。この薬剤はスプライシングトランス因子PTBP1の発現を上昇させることが判明した。さらにPTBP1プロモータ領域の欠失アッセイにて薬剤反応シスエレメントを同定した。
|