2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞の増殖と機能におけるインスリン受容体基質ファミリー蛋白質の役割の解明
Project/Area Number |
17390261
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Research Institution | the University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸邉 一之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30251242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30185889)
鈴木 亮 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20396732)
野田 光彦 財団法人沖中記念成人病研究所, 研究員 (90237850)
窪田 直人 東京大学, 医学部附属病院, 客員教員 (50396719)
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Keywords | 膵β細胞 / 増殖 / インスリン受容体基質 / IRS-2 / 高脂肪食 / インスリン分泌 / 糖尿病 |
Research Abstract |
2型糖尿病の発症には、インスリン抵抗性とインスリン分泌低下の両者が関与する。私どもはインスリン受容体基質(IRS)-2の欠損マウスを作製し、肥満及び肝臓でのインスリン抵抗性に対し膵β細胞が十分に増殖できないため、相対的なインスリン分泌不足をきたすことにより糖尿病を発症することを明らかにした(Diabetes 49:1880-9,2000、J Biol Chem.279:25039-49,2004、J Biol Chem.280:3331-7,2005)。IRS-2欠損マウスに高脂肪食を負荷すると、野生型に比べ著しい高血糖を示した。野生型では膵β細胞が増殖するが、IRS-2欠損マウスでは膵β細胞の増殖が見られなかった(J.Biol.Chem.278:43691-43698,2003、J Biol Chem.278:14284-14290,2003).IRS-2の膵β細胞の増殖における役割を明らかにするため、IRS-2-loxマウスを作製し、膵β細胞にCreリコンビナーゼを発現するマウスとかけあわせ、膵β細胞でのIRS-2を欠損したところ、インスリン抵抗性のない状態でも膵β細胞の面積は野生型に比べて低下していることを証明した(J.Clin.Invest.114:917-927,2004)。高脂肪食を負荷しインスリン抵抗性を誘導すると膵β細胞が増殖するが、この時、IRS-2蛋白質が著明に誘導される。一方、膵β細胞内でのブドウ糖代謝が低下したグルコキナーゼ(GK)欠損マウスでは、膵β細胞の増殖もIRS-2蛋白の発現上昇も認められなかった。IRS-2蛋白の上昇とCREBのリン酸化の亢進がパラレルであることから、膵β細胞内でのブドウ糖のGKによる代謝はCREBのリン酸化を介してIRS-2の発現上昇を誘導するものと結論した(J.Clin.Invest.117:246-257,2007)。 793字
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Research Products
(9 results)