2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスおよびJNK経路を介した糖尿病発症、進展の分子機構の解析
Project/Area Number |
17390263
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 義光 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40201834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松久 宗英 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60362737)
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Keywords | 糖尿病 / 膵beta細胞 / 酸化ストレス / JNK経路 / PDX-1 / Foxo1 / 核外移行 / アデノウイルス |
Research Abstract |
(1)酸化ストレス、JNK経路の活性化を介した(膵beta細胞の重要な転写因子である)PDX-1の核外移行のメカニズムとしてforkhead転写因子Foxo1の関与を検討した結果、酸化ストレスによって(PDX-1とは反対に)Foxo1は核内移行した。通常時はFoxo1の細胞内局在は細胞質優位に認められるが、酸化ストレスあるいはJNK活性化により、Foxo1のリン酸化が低下して核内に局在し、その結果PDX-1が核外に移行するのではないかと考えられた。 (2)リン酸化抗体などを用いたwestern blot法にて検討した結果、酸化ストレスにより(インスリンレセプターの下流にある)PI-3 khaseのリン酸化の低下が認められた。 (3)Wild type JNK発現アデノウイルスを高発現させることによってインスリンシグナルが低下し、Foxo1が核内移行することが見い出された。またwild typeおよびdominant-negative typeのFoxo1発現アデノウイルス(Ad-WT-Foxo1,Ad-DN-Foxo1)を作製して検討した結果、酸化ストレスによるPDX-1の核外移行がAd-DN-Foxo1によって抑制されること、さらにAd-WT-Foxo1によりPDX-1が核外移行することが見い出された。 以上のような結果から、酸化ストレス、JNK経路の活性化を介したPDX-1の核外移行には、膵beta細内のインスリンシグナルの低下を介したFoxo1の核内移行が関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)