2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスおよびJNK経路を介した糖尿病発症、進展の分子機構の解析
Project/Area Number |
17390263
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松久 宗英 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60362737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 孝昭 大阪大学, 医学系研究科, 特任助手 (10379258)
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Keywords | 糖尿病 / 膵β細胞 / 酸化ストレス / JNK経路 / PDX-1 / インスリン / RhoA / Rho-kinase |
Research Abstract |
これまでの検討で申請者らは、糖尿病状態において認められる膵β細胞機能障害に酸化ストレスの増加、JNK経路の活性化が関与していることを見いだしてきた。本検討においては(JNK経路と深く関与することの知られている)Rho経路と膵β細胞機能との関係を検討した。 (1)RhoAの発現は、コントロールマウスと比べて(2型糖尿病モデルマウスである)C57BL/KsJ-db/dbマウスの膵島において強く認められることが、免疫組織染色にて確認された。 (2)(Rho-kinase阻害剤である)Y27632やfasudilを(膵β細胞株である)HIT細胞に投与することによりインスリンmRNA量の著明な増加が認められた。 (3)Rho-kinase阻害剤によりインスリンプロモ-ター活性の著明な増加もluciferase assayにて認められ、mRNA量の増加はプロモーター活性の増加によるものと考えられた。 (4)上記の結果の分子メカニズムを検討するため、(インスリン遺伝子のきわめて重要な転写因子である)PDX-1やMafAの核内蛋白発現量、インスリン遺伝子に対するDNA結合能などを検討したが、Rho-kinase阻害剤による明らかな変化は認められなかった。 以上のような結果から、糖尿病状態においてはRho経路が活性化されており、これにより膵β細胞機能が障害されている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)