2006 Fiscal Year Annual Research Report
生命維持機構としてのプロテインC凝固制御系の分子細胞学的研究
Project/Area Number |
17390276
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70077808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 辰弥 三重大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (00242959)
岡本 貴行 三重大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30378286)
GABAZZA Esteban 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00293770)
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Keywords | プロテインC凝固制御系 / 活性化プロテインC / プロテインS / プロテインCインヒビター / トロンボモジュリン / 炎症 / 組織リモデリング / 受精 |
Research Abstract |
本研究では、プロテインC凝固制御系因子の生命維持作用機構を解析し、以下の成果を得た。(1)エンドトキシン(LPS)感染時の肝障害におけるプロテインSの発現低下機序を解析し、LPSは肝細胞のCD14とTLR4に結合して細胞内のNFκBを活性化してプロテインS遺伝子の発現を抑制する機構を明らかにした(J Thromb Haemost 2006)。(2)ラット肝硬変モデルを用いて、プロテインSの発現動態が正常肝と硬変肝における肝細胞と類洞内皮細胞で異なることを明らかにした(J Thromb Haemost 2006)。(3)PCIがモノクタリン誘導性の肺高血圧症を軽減することをヒトPCI遺伝子導入(PCI-TG)マウスを用いて明らかにした(J Thromb Haemost 2006)。(4)ブレオマイシン誘導性肺線維症に対して組織因子経路阻害物質(TFPI)が障害保護に働くことを遺伝子と組織レベルで明らかにした(Biochim Biophys Res Commun 2006)。(5)トロンビン活性化線溶阻止因子(TAFI)欠損マウスでは、ブレオマイシン誘導性肺線維症が軽減されることから、TAFI阻害因子が肺線維症に有効であることを明らかにした(Am J Pathol 2006)。(6)PCIが精子の受精機構を制御調節していることを明らかにした(Semin Thromb Haemost 2007)。(7)PCIが乳癌細胞の増殖、転移、血管新生を阻害する機構を解析し、PCIがプロテアーゼ阻害活性とは別の作用機序により癌細胞の機能を制御することを明らかにした(Int J Cancer 2007)。(8)PCIが肝細胞増殖因子の活性化因子(HGFA)を阻害することにより、肝再生を制御調節していることを明らかにした(J Thromb Haemost 2007)。
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