2006 Fiscal Year Annual Research Report
独自樹立小型霊長類コモンマーモセットES細胞を用いた効率的造血幹細胞増幅法の開発
Project/Area Number |
17390279
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷 憲三朗 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 えりか 実験動物中央研究所, 霊長類研究室, 研究員 (70390739)
末廣 陽子 九州大学, 大学病院, 助手 (50380522)
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Keywords | コモンマーモセット / ES細胞 / tall / scl / glycophorin抗体 / ヒト胎児肝臓 / シュードタイプレンチウイルスベクター / cDNA発現ライブラリー / 白血病細胞株 |
Research Abstract |
独自樹立をしたコモンマーモセット(CM)胚性幹(ES)細胞から効率良い造血幹細胞ならびに血球分化系を確立することを最終目標に、in vitroにおいて効率良くCMES細胞を血球系細胞に分化することを明らかにしたtall/scl遺伝子導入CMES細胞株を樹立し、同細胞を免疫不全(NOG)マウスに骨髄内投与を行いその経過を観察した。この結果、NOGマウスにおいて部内に腫瘍形成を認めたことより、血球分化を効率良く行うことが必要と考えられた。そこでヒト胎児肝臓cDNA発現VSV-Gシュードタイプレンチウイルスベクターライブラリーを独自技術で作製した。本ライブラリーcDNAは独立したクローン数として>8×10^7、平均cDNA長約2.1kbから構成され、一部(40遺伝子分)をDNA配列解析した結果では、その60%が全長タンバク質をコードしていることが明らかとなったにれらの中には細胞内酵素や酵素阻害因子、細胞膜タンパク質などが含まれており、多岐にわたっていた。さらに本ライブラリーからウィルスを産生させ、293T細胞に感染させたところ、100%の細胞から遺伝子導入が確認できた。遺伝子導入されたcDNAの平均長は約1kbであり、Glycophorin A抗体を指標としたフローサイトメーター解析からは、導入されたライブラリー遺伝子がタンパク質レベルでも正しく発現していることが示された。このライブラリーを用いてサイトカイン依存性白血病細胞株のサイトカイン非依存性ならびにtall/scl遺伝子導入CMES細胞株の血球高分化能を指標にスクリーニングを行い、いくつかの白血病細胞株の自立増殖性もしくはCMES細胞の血球分化能に強く関連する可能性のある分子をクローン化した。現在これらの結果の再現性を確認中である。
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Research Products
(8 results)