2006 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞、標的細胞からみたGVHD, GVL効果の病態生理に関する包括的解析
Project/Area Number |
17390280
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
豊嶋 崇徳 九州大学, 大学病院, 助教授 (40284096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 光音 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10240805)
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Keywords | graft-versus-host disease / graft-versus-leukemia / sphingosin-1-phosphate / FTY720 / activation-induced cell death / lymph nodes |
Research Abstract |
現在までの研究から、ドナーT細胞とレシピエント樹状細胞の相互作用がGVHDを誘導する重要なステップであることが判明したので、これをふまえて両者の相互作用を利用したGVHD予防が可能かどうか検討した。FrY720はsphingosine-1-1phosphateレセプターをdownregulateし、T細胞のリンパ節から末梢血、組織への移動を抑制する。マウスモデルで同種骨髄移植後のレシピエントにFTY720(0.3mg/kg)を連日経口投与した。FTY投与群では移植後早期にリンパ節にドナーT細胞の集積がみられた。移植4日目にリンパ節より分離したドナーT細胞のアロ応答性はより亢進し、アポトーシスの増加がみられた。その結果、5日目以降では逆にドナーT細胞の急速な減少がみられた。移植後6日目にリンパ節から分離したドナーT細胞を二次レシピエントにadoptive transferしたところ、コントロールT細胞に比較して、GVHD誘導能の低下が確認された。これらの結果から、ドナーT細胞がリンパ節内でレシピエントの樹状細胞によって過剰な活性化をおこし、それによるアポトーシス(activation-induced cell death: AICD)によって、アロ応答性T細胞の減少をもたらすと考えられた。さらに、FrY720投与によるGVLへの影響を検討した。レシピエントにP815腫瘍細胞を投与し、同様に移植、FTY投与を行い、白血病死亡率に及ぼす影響を検討した。その結果、FTY投与によっても白血病死亡率の増加はみられなかった。これらの結果からT細胞一樹状細胞相互作用を利用したGVHD予防が可能であることが示唆された。 次に、樹状細胞、標的細胞に発現するアロ抗原と、GVL効果との関連を検討した。アロ抗原が標的細胞上には発現しない骨髄キメラマウスを作製し、腫瘍を投与し担がんマウスとして移植を行い、GVHDとGVL効果を観察した。現在までに得られている結果は、GVL効果の発現にはアロ抗原が樹状細胞上に発現する必要があること、しかし、標的細池上のアロ抗原の発現はGVHDを重症化するが、GVL効果を減弱した。この結果からアロ抗原の発現分布がGVHDとGVL効果に大きく影響することが明らかとなってきている。アロ抗原が広範に分布している場合、ドナーCD8+T細胞のPD-1の発現が亢進し、CTL活性の低下がみられた。このようなことから、アロ抗言が広範に発現する場合にはアロ応答性ドナーT細胞の"exhaustion"を誘導し、最終的にGVLが損なわれる可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)