2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディエーター制御分子としてのトロンボモデュリン
Project/Area Number |
17390282
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿邉山 和浩 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員助教授 (30284897)
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70250917)
内村 友則 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20363616)
伊藤 隆史 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20381171)
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Keywords | 救命 / 循環器・高血圧 / 免疫学 |
Research Abstract |
1.Localized HMGB1 as a wound-repair cytokine(局所のHMGB1が損傷修復性サイトカインであることの証明) 1)ウサギの背中に局所的外傷を加え、経時的に病理像を観察し、HMGB1の発現を検討し、以下の結果を得た。 (1)最初の観察時点(損傷〜3日)では、好中球が浸潤し、その好中球の細胞質にHMGB1の発現が観察された。 (2)その後の観察時点(7日目)では、リンパ球の浸潤が観察されたが、このリンパ球にHMGB1が発現していたが、その局在は主として核であった。 2)上記実験にHMGB1、あるいは、抗HMGB1を投与する実験は現在進行中である。ただウサギ眼球を使用した実験系では、血管の申請が、HMGB1投与群で観察された。 2.Systemic HMGB1 as a lethal factor(全身性のHMGB1が全身性炎症、DICの促進因子として働くこと) ラットにトロンビン単独、あるいはHMGB1と併用して投与し、その結果を、死亡率、凝固パラメター、臓器解剖の面から評価した。ラットにHMGB1±トロンボモデュリンで、臓器不全、DIC(播種性血管内凝固症候群)の発生を評価する。 1)ラット(雄、Sprague-Dawley,190-230g、n=10)にトロンビン(1250U/Kg/h)を±HMGB1を4時間かけて点滴静注した。それにひき続き、一方の群には純化HMGB1(0.4mg or 2mg/)を1回で静中した。それらの凝固のパラメターを評価しながら、DICの発症、死亡率を観察した。同時にIL-6,TNFαを測定した。 2)結果: トロンビン単独群ではなんら病態は惹起されなかったが、HMGB1併用投与群では、約半数のラットが死亡した。その時のラットはフィブリノゲンの減少、血小板の減少、PT,aPTTの延長がみられ、DICの発症がうかがわれた。事実、解剖でも腎臓にフィブリンの沈着や血栓が観察された。トロンビン単独群に比べ、HMGB1併用投与群では、IL-6,TNFαが増加し、血管内での炎症(Systemic Inflammatory Response syndrome)の発症も窺われた。結論として、HMGB1はトロンビンの作用を増強させ、DIC併発のアジュバント効果を有することが証明された。
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Research Products
(5 results)