2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390283
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
三谷 絹子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 光 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60282638)
牧 和宏 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50337391)
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Keywords | RUNX1 / EVI1 / C / EBPα / LG-3 / 分化抑制 / 慢性骨髄性白血病 / 骨髄異形成症候群 / 転写活性 / ピストン脱アセチル化酵素 |
Research Abstract |
RUNX1/EVI1によるC/EBPαの機能制御の解析 RUNX1/EVI1は慢性骨髄性白血病および骨髄異形成症候群が白血病化する際に作用する原因遺伝子である。RUNX1/EVI1による転写制御異常を介した分化抑制効果がその分子基盤であると考えられる。顆粒球分化に必須の役割を担うC/EBPαがRUNX1/EVI1の分化抑制効果の標的遺伝子である可能性について検討した。RUNX1/EVI1をマウスLG-3細胞に遺伝子導入した所、好中球コロニー刺激因子存在下での好中球への終末分化が阻害された。COS7細胞に過剰発現させたRUNX1/EVI1とC/EBPαの結合が免疫沈降法で証明されたことから、両者は機能的に相互作用する可能性が示唆された。C/EBPαは標的遺伝子の転写を活性化することにより顆粒球分化を促進するが、自らの遺伝子プロモーターの転写も活性化することが知られている。そこで、CEBPAプロモーターを用いたレポーター・アッセイにより、RUNX1/EVI1がC/EBPαの転写活性化能に及ぼす影響を検討した。RUNX1/EVI1はC/EBPαの転写活性化能を抑制したが、EVI1部分のCtBP結合部位の変異体はその抑制能を失っていた。従って、RUNX1/EVI1はピストン脱アセチル化酵素のリクルートを介してC/EBPαの転写活性化能を抑制すると考えられた。さらに、ゲルシフト・アッセイにより、RUNX1/EVI1はC/EBPαのDNA結合能を抑制することも明らかになった。最後に、RUNX1/EVI1発現LG-3細胞にC/EBPαを過剰発現させた所、分化能の回復が観察された。RUNX1/EVI1はC/EBPαを標的として分化抑制効果を発揮し、造血幹細胞腫瘍を白血病化させる可能性が示唆された。
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