2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390283
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
三谷 絹子 Dokkyo Medical University, 医学部, 教授 (50251244)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 光 自治医科大学, 医学部, 講師 (60282638)
牧 和宏 自治医科大学, 医学部, 講師 (50337391)
|
Keywords | TEL / 転写因子 / アセチル化 / MOZ / RUNX1 / EVI1 / 白血病 / レトロウイルス / replating |
Research Abstract |
1.TELのアセチル化による機能制御機構の解析 TELは抗アセチル化リジン抗体で免疫沈降されることから、アセチル化蛋白であることが明らかになった。TEL分子中の17個のリジン(K)残基の1つのみを残し、残りすべてをアルギニン(R)に置換した変異体を作製して検討した所、TELのアセチル化部位は唯一Lys99であった。アセチル化変異体R99Rは、抗アセチル化リジン抗体で免疫沈降されず、放射性同位元素^<14>Cを有するメチル基で標識されなかった。様々なアセチル化誘導酵素を検討した所、MOZが最も強くTELをアセチル化した。野生型TELの転写抑制能はMOZの共発現により減弱したが、K99R変異体では減弱しなかった。我々はすでにTELがERKにより誘導性にリン酸化を受けて失活することを証明しているが、K99R変異体はリン酸化されないことから、Lys99のアセチル化はリン酸化の必要条件であると考えられた。 2.RUNX1/EVI1の機能解析 RUNX1/EVI1は慢性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群の白血病化及び急性巨核芽球性白血病発症の原因遺伝子である。発生工学的検討により、RUNX1/EVI1は胎生造血に異形成を誘導すること、マウス個体に急性巨核芽球性白血病を発症させることを証明している。本年度は、RUNX1/EVI1レトロウイルスをlineage depletionしたマウス骨髄細胞に感染させて、分化・増殖に対する影響を検討した。モック感染細胞はIL-3、 IL-6、SCF存在下で7日間培養すると好中球に分化するが、RUNX1/EVI1ウイルス感染細胞は分化能を失っていた。造血コロニー・アッセイでは、RUNX1/EVI1ウイルス感染細胞はより大きなコロニーを形成し、モック・コロニーと異なりreplatingが可能であった。RUNX1/EVI1は一次培養細胞においても、分化抑制能と増殖促進能を示した。
|