2005 Fiscal Year Annual Research Report
単球由来多能性細胞移植による組織修復・再生療法の実用化に向けた検討
Project/Area Number |
17390284
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桑名 正隆 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50245479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 康夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00110883)
中島 龍夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095633)
貴志 和生 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40224919)
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90212563)
石田 明 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80212885)
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Keywords | 幹細胞 / 再生医療 / 血管新生 / 単球 / 多能性細胞 / 脳梗塞 / 皮弁 / 血小板 |
Research Abstract |
本研究では,申請者が発見したCD14^+CD45^+CD34^+I型コラーゲン^+のユニークなフェノタイプを持つ末梢血単球由来の多機能性細胞(monocyte-derived multipotent cell;MOMC)を臓器再生のための細胞移植療法に用いるために必要な基礎研究を推進している。 1)疾患モデルを用いたMOMC細胞移植による組織再生療法の確立 ラットの脳虚血,皮弁モデルを用いて同系MOMC移植による効果を検討している。ラット左中大脳動脈基部を1時間閉塞させた脳梗塞モデルでは,発症1週間後に経頭蓋的にMOMCを移植すると,対照のマクロファージまたは培養液のみを移植した群に比べてその後の神経学的機能評価で有意な改善を示した。一方,基部以外の血行を遮断した皮弁を作成した皮弁モデルでは,同系MOMC移植により,マクロファージ,線維芽細胞,培養液のみの移植に比べて生着面積が広かった。組織学的検討では,いずれのモデルでもMOMC移植群でのみ顕著な血管新生がみられた。今後,GFP遺伝子導入同系ラット由来のMOMCを移植することで,MOMCの他分化能を検討する予定である。 2)細胞移植に用いるヒトMOMCの至適培養条件の確立 末梢血単球からMOMCへの分化にはα5β1インテグリンを介したフィブロネクチンとの結合と血小板由来の液性因子の両者が必須であることを明らかとした。本年度は,血小板からMOMC分化誘導因子の放出を促す条件をスクリーニングし,トロンビン刺激での8時間放置が至適であることを見出した。今後,この条件で作成された培養上清中のMOMC分化誘導因子を網羅的な蛋白解析により同定する予定である。 3)難治性皮膚潰瘍に対する臨床試験 本年度は準備期間として,先端医科学研究所,内科,形成外科,皮膚科,輸血細胞治療部による研究連絡チームを立ち上げ,臨床試験プロトコールを作成中である。
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