2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390293
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
久保 允人 独立行政法人理化学研究所, シグナル・ネットワーク研究チーム, チームリーダー (40277281)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 良二 独立行政法人理化学研究所, シグナル・ネットワーク研究チーム, 研究員 (20392152)
|
Keywords | IL-2 / クロマチン / Notch / 記憶型T細胞 / 転写因子 |
Research Abstract |
我々はIL-4遺伝子内でTh2分化に伴いクロマチンレベルで構造変化が見られる領域を指標として、GFPをレポーターとしたトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。これら解析よりT細胞におけるTh2特異的IL-4遺伝子の発現は、哺乳類間でよく保存されている3'下流に位置するConserved Non-cording Sequence(CNS-2)と呼ばれる領域が関与していることが明らかにされた。本年度の解析から、生体においてTh2反応が効率よく誘導されるためには、記憶型T細胞およびNKT細胞から産生されるIL-4が必要であり、CNS-2領域はこれら細胞におけるIL-4産生において必須の制御領域であった。ナイーブT細胞が初期抗原刺激を受ける際48時間以内にIL-4存在するがある。また、CNS-2領域がエンハンサー活性を示すためには、Notchシグナルが重要な働きを持つことが今年度の解析から明らかにされた。以上のことから、Notchシグナルを介するCNS-2エンハンサーは、初期抗原刺激に起こる記憶型T細胞からのIL-4産生を制御することにより、Th2型の免疫反応を制御していた。実際この記憶型T細胞を生体内より取り除いたマウスでは、卵白アルブミン特異的に起こる喘息病態を完全に抑制することができた。また、CNS-2領域によるエンハンサー活性は、ナイーブT細胞がTh2細胞へと分化する過程で一度消失したが、分化したTh2細胞では再び認められた。このエンハンサー活性は、Th2特異的に発現する転写因子GATA-3によって制御されている事が明らかとなってきており、同一の制御領域がT細胞の分化過程で異なる転写因子で制御されていることを示唆していた。
|
Research Products
(15 results)