2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胚性幹細胞の分化メカニズムに基く臨床応用可能なヒト造血幹細胞の産生法の開発
Project/Area Number |
17390297
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河崎 裕英 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80278621)
海老原 康博 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40302608)
|
Keywords | ヒト胚性幹細胞(ES細胞) / 造血幹細胞 / 胎仔肝 / ストローマ細胞 / 造血前駆細胞 / 赤血球 / 成人型ヘモグロビン |
Research Abstract |
胎生14〜15日のマウス胎仔肝からストローマ細胞を培養し、ヒトES細胞を樹立されたストローマ細胞と共培養することを試みた。この共培養系においては、培養2〜3日間は、ヒトES細胞は未分化な形態を維持しつつ増殖を続けたが、培養3〜5日目頃より分化を開始した。培養11〜12日目頃には、cobble stone area(CSA)が出現し、その数は次第に増加した。CSAに含まれるcobble stone-like cell(CS細胞)は、CD34を発現し、血管内皮細胞と血液細胞への分化能を保持していた。特にこれらのCS細胞を、エリスロポエチン、トロンボポエチン、interleukin(IL)-3、IL-6、SCF(stem cell factor)、G-CSF(granulocyte colony-stimulating factor)存在下で、コロニー培養すると、赤血球コロニー、顆粒球・マクロファージコロニー、混合コロニー等、様々な血液細胞コロニーが形成された。更に混合コローを液体培養にて二次培養すると、赤血球、好中球、マクロファージ、巨核球、肥満細胞などの血液細胞が効率良く産生された。赤血球については、成人型ヘモグロビンも合成されており、その酸素運搬能も確認することができた。 以上の結果は、マウス胎仔肝由来ストローマ細胞を用いた共培養系により、ヒトES細胞から、多能性造血前駆細胞を含む種々の造血前駆細胞が分化誘導され、さらにそれらの前駆細胞から血液細胞への分化誘導が可能となったことを示していると考えられた。
|
Research Products
(21 results)