2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胚性幹細胞の分化メカニズムに基く臨床応用可能なヒト造血幹細胞の産生法の開発
Project/Area Number |
17390297
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老原 康博 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40302608)
河崎 裕英 関西医科大学, 小児科, 講師 (80278621)
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Keywords | ヒト胚性幹細胞(ES細胞) / 胎仔肝 / ストローマ細胞 / 多能性造血細胞 / 混合コロニー形成細胞 / 肥満細胞 / 抗アレルギー薬 |
Research Abstract |
本年度は、ヒトES細胞とマウス胎仔肝由来ストローマ細胞と共培養において産生される多能性造血細胞(混合コロニー形成細胞:Mix-CFC(mixed lineage colony-forming cell))の性状について、更に解析を行なった。 ヒトES細胞をマウス胎仔肝由来ストローマ細胞と共培養すると、培養10日目頃よりMix-CFCは産生された。そこで、培養14日目に採取されたMix-CFCを、SCF(stem cell factor)、FL(Flk2-ligand)、IL(interleukin)-3、IL6、G-CSF(granulocyte colony stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、TPO(thrombopoietin)等の種々のサイトカイン存在下で液体培養すると、赤血球系細胞、巨核球系細胞、顆粒球系細胞、肥満細胞等様々な血液細胞が産生された。特に、培養2週間後には、培養液中には多くの肥満細胞が出現したが、これらの肥満細胞の大部分はtryptase(+)chymase(-)のT型肥満細胞(粘膜型肥満細胞)であった。培養1ヶ月頃には、一部にはtryptase(+)chymase(+)のTC型肥満細胞(組織型肥満細胞)も認められたが、多くはT型肥満細胞のままであった。 一方、マウス胎仔肝由来ストローマ細胞と14日間共培養されたヒトES細胞をSCFなどのサイトカイン存在下で直接液体培養すると、培養1週間目にはtryptase(-)chymase(+)細胞が出現し、培養1ヶ月後にはその多くはtryptase(+)chymase(+)のTC型肥満細胞となった。 以上の結果から。胎生期における肥満細胞の発達には、多能性造血前駆細胞を介して肥満細胞が産生される経路の他に、早期にTC型組織型肥満細胞を産生する経路が存在する可能性が示唆された。
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Research Products
(21 results)