2006 Fiscal Year Annual Research Report
小児期の生活習慣病と将来の動脈硬化性心疾患発症に関する研究
Project/Area Number |
17390303
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
太田 孝男 琉球大学, 医学部, 教授 (70185271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朔 敬二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
粟田 久多佳 琉球大学, 医学部, 教授 (00325862)
島袋 充生 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (60271144)
吉田 朝秀 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (20363682)
島袋 忠雄 琉球大学, 医学部, 助手 (20336382)
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Keywords | 小児生活習慣病 / 動脈硬化 / FMD / IMT / メタボリック症候群 / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
生活習慣病が動脈硬化性心疾患(ACAD)の大きな危険因子であることは多くの疫学及び基礎研究から明らかである。動脈硬化病変は病理学的には小児期から存在し、加齢と共に進展していく。また、その進展速度を生活習慣病が加速することも明らかにされつつある。本年度の研究では、(I)小児期の高脂血症とインスリン抵抗性及びメタボリック症候群との関連について解析すると共に、(II)小児期における動脈硬化進行の評価のため超音波を用いた血管内皮機能検査(FMD)及び頚動脈の内膜中膜肥厚測定(IMT)法の確立を試みた。(1)昨年度の研究で学童高脂血症の特徴について検討し、IIb及びIV型高脂血症児でインスリン抵抗性が強く、インスリン感受性が低下していることを報告した。今年度は、これらの高脂血症とメタボリック症候群との関連について検討した。那覇市及び熊本市での小児生活習慣病健診受診学童1070名(那覇市700名、熊本市370名)の中で高TG血症を示した児109名(IIb:51名、IV:58名)を対象とした。IIb型児の23名(45%)、IV型児の23名(40%)がメタボリック症候群と診断された。IIb型、IV型共にメタボリック症候群患児では拡張期及び収縮期血圧は非メタボリック症候群(対照群)に比べ有意な高値を示した。またHDL-Cはメタボリック症候群児の方が有意な低値を示した。TGレベルにはIIb型及びIV型共に両群で有意差は認めなかった。血中インスリン値はIV型を呈したメタボリック症候群児では対照群に比べ有意な高値を示した。しかし、IIb型を呈したメタボリック症候群児では対照群と有意差を認めなかった。この事から、IIb型高脂血症児ではIV型高脂血症児と異なりインスリン抵抗性はメタボリック症候群とは独立した因子であることが示唆された。(II)FMD及びIMTの測定法を確立し、生活習慣病患児を対象に測定を開始している。現在、症例数を増やしているところである。
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Research Products
(3 results)